オートコールの費用相場は?料金構成やシステム選定のポイントを解説

テレアポ営業や電話リサーチなど、電話を用いた業務の効率化や成果の向上を目指しているのなら、オートコールの導入を検討してみましょう。オートコールはさまざまな分野の企業が活用を進めており、便利な機能も登場しています。

オートコールの導入によって、架電や受電業務における課題の解決が可能です。ただ、大きな成果を得るには、ポイントを踏まえたシステム・サービスの選定をしなくてはなりません。本記事では、オートコールの概要や導入メリット、費用相場、選定のポイントなどを詳しく解説します。

オートコールとは

オートコールとは、あらかじめ録音した音声で案内や営業を行うことを目的として、事前に設定した電話番号リストへ一斉に発信するシステムです。電話営業や督促業務、アンケート調査、高齢者の安否確認など、オートコールはさまざまなシーンで活用されています。

アウトバウンド業務の効率化やオペレーターの負担軽減、サービス品質の維持、コスト削減など、数々のメリットを得られる点がオートコールの魅力です。現在では、さまざまなオートコールシステム、サービスがリリースされており、できることや特徴、費用などがそれぞれ異なります。導入の際には各システムの特徴を把握したうえで、目的や用途にあわせて選ばなくてはなりません。

オートコールの仕組み

オートコールは、あらかじめ録音したオペレーターの自動音声と、顧客データベースを組みあわせて運用するシステムです。あらかじめ用意した電話番号リストへ一斉発信し、相手が電話を受けると自動音声が流れます。自動音声にはオペレーターによる録音データだけでなく、人以外の録音データやテキストの読み上げも活用することができます。

なお、多くのオートコールシステムでは、IVRが活用されています。IVRはInteractive Voice Responseの略であり、日本語では「自動音声応答システム」と訳されます。着電に対する自動音声での応対や、プッシュボタン操作による適切な部署への割り振りなどが可能です。

オートコールの形態別費用相場

オートコールシステム・サービスの形態は以下の3タイプが主流です。

・クラウド型
・オンプレミス型
・委託型

オートコールの一般的な料金構成は、初期費用+月額料金+通話料です。導入を検討しているシステムの形態によって、トータルでの費用は大きく変化します。ここでは、各形態におけるおおよその費用相場と特徴をお伝えします。

クラウド型

クラウド型の初期費用は、~5万円が目安です。サービスによっては20万円近くかかるケースもあります。月額料金は5,000円~8万円程度、通話料はサービスごとに異なります。所定の上限コール数までは定額で利用できるプランや、無制限プラン、上限を超えたコールに課金されるタイプなど、サービスごとに料金が大きく変わる点が特徴です。

初期費用を抑えられ、なおかつ導入しやすい点がクラウド型の魅力です。物理サーバーなどの機器設置が不要であり、インターネット接続環境さえあればスピーディーに導入、運用できます。

オンプレミス型

オンプレミス型は、社内に物理サーバーを設置し、ネットワーク機器などを用いて運用するタイプです。初期費用は200万円程度、月額料金は3万円程度、通話料は1コールあたり10円~が目安です。

オンプレミス型のオートコールでは、柔軟なカスタマイズと運用を行える点がメリットです。自社で運用することでセキュリティ対策も強化でき、既存システムとの連携も可能です。一方、サーバー設置などの対応が必要な分、クラウド型よりも高額な初期費用がかかる点に注意が必要です。

委託型

委託型は、オートコールシステムの運用を委託先に任せるスタイルです。発信内容を依頼し、委託先のスタッフが代行発信を行います。初期費用と月額料金が無料であるサービスが多く、通話料は1コールあたり20~30円程度です。

大掛かりな機器やシステムの導入が不要であるため、初期コストを抑えやすい点が魅力です。また、専門業者にシステム運用を任せるため、自社のリソースも割く必要がありません。一方、自社運用ではないことから、運用の自由度が低いのは難点です。

オートコールの活用シーン

オートコールの活用シーンは多岐にわたります。代表的な活用方法には以下のようなものがあります。

・督促・催促
・アンケート調査
・テレアポ営業
・予約等のリマインド
・掘り起こし
・イベント集客

上記の通り、オートコールは幅広いシーンで活用可能であるため、現在ではさまざまな分野の企業で活用されています。

督促・催促

督促・催促業務は、所定の期限をすぎている顧客などに対し、提出や支払いを求める業務です。たとえば、行政手続きに必要な書類の提出を促すために催促の手紙を送る、ローンの返済期日をすぎている顧客に対し支払い督促の電話をかけるといった場面が考えられます。

電話を用いた督促・催促業務では、オペレーターが個別に架電するのが一般的でした。ただ、督促・催促業務の性質上、オペレーターの心理的負担が増大しやすい、件数が多いと架電しきれないなどの問題が発生していました。

オートコールなら、こうした課題を解決できます。自動音声のためオペレーターの精神的な負担を軽減でき、一斉に大量架電も行えて効率的です。

アンケート調査

顧客満足度や市場調査など、多様なアンケート調査にオートコールは活用できます。従来のオペレーターによる電話アンケート調査では、調査品質がオペレーターのスキルに左右されやすい課題がありました。あらかじめ録音した自動音声を用いるオートコールなら、調査品質を一定に保てます

集計の手間を省けるのも魅力です。電話を受けた側がプッシュボタンを操作し、結果をシステムが整理するため、マンパワーを大幅に削減できます。架電業務にあたる大勢のオペレーターも不要であるため、コスト削減にも有効です。

テレアポ営業

テレアポ営業は、見込み客などのリストに基づき電話をかけ、商談の設定や商品・サービスの販売につなげる営業手法です。オートコールを用いたテレアポ営業は、短時間に大勢の見込み客へ架電できるため、効率的な営業活動を展開できます。

また、オペレーターの心理的負担を軽減できるメリットもあります。テレアポ営業は、事前約束などなくいきなり電話をかける営業スタイルであるため、相手からクレームを入れられたり、攻撃的な言葉を投げかけられたりといったケースが少なくありません。オートコールならオペレーターの心理的負担を軽減でき、優秀な人材の流出リスクも引き下げられます。

予約等のリマインド

オートコールを用いた予約のリマインドでは、サービスの予約をした顧客に架電し、予約忘れなどを回避できます。予約日までの期間が長いケースでは、予約したことを忘れ、別の予定を入れてしまうケースも珍しくありません。オートコールを活用すれば予約忘れを回避し、機会損失を防げます。

あらかじめ設定しておけば、予約日の一週間前や三日前、前日など複数回に分けて架電を行えるサービスもあります。自社でわざわざリマインド架電を行う必要がなくなり、人的リソースを有効に活用できる点も魅力です。

掘り起こし

オートコールは、休眠顧客の掘り起こしにも有効です。過去に来店経験があるものの、しばらく足が遠のいている顧客や、商談がまとまらず放置状態になっている取引先などを休眠顧客と呼びます。

休眠顧客は、過去に自社と接点があるため、新規顧客の獲得に比べると呼び戻すのは比較的容易と考えられます。ただ、そのためには高品質かつ定期的な架電が必要です。オートコールなら、一定品質のもと架電できるのはもちろん、定期的なアプローチも行えるため、効果的な休眠顧客の掘り起こしが可能です。

イベント集客

参加人数が多いイベントの集客に、オートコールの利用は有効です。大勢を集めるセミナーや講演会、展示会などでは、とにかく多くの人々に告知をしなくてはなりません。マンパワーを用いた人海戦術での電話告知では、必然的に多くの人員が必要となるだけでなく、相応の時間と労力、コストがかかります。

一斉に大勢へ架電できるオートコールなら、上記の課題を解決可能です。多くの人的リソースを割くことなく大勢へ架電でき、効率よくイベント告知を行えます。イベント内容や魅力などを、丁寧かつ端的に分かりやすく説明した自動音声を用意しておけば、一定の品質を維持できイベント集客力も高まります。

オートコールの4つの導入メリット

さまざまな分野で多くの企業がオートコールを活用しているのは、それだけの魅力があるからにほかなりません。以下に、オートコール導入で得られる主なメリットを4つ整理しました。

・アウトバウンド業務の効率化
・コスト削減
・オペレーターの心理的負担の軽減
・業務の標準化による品質向上

アウトバウンド業務の効率化

アウトバウンド業務とは、電話を用いて既存顧客や見込み客などへアプローチし、商品やサービスの提案、販売を行う業務です。新規顧客獲得だけでなく、既存顧客のフォローやリサーチなど、さまざまな目的で行われます。

オートコール導入で得られるメリットのひとつは、これらアウトバウンド業務の効率化を実現できることです。リストに基づいた電話の一斉発信と、自動音声による案内ができるため、効率的に営業活動を展開できます。

業務効率化によって生産性も向上します。オペレーターの人員を増やすことなく、1日の架電数を大幅に増やせるため、売上や利益アップにも有効です。

コスト削減

コスト削減が見込めるのも、オートコール導入のメリットです。オートコールは、システムによる電話の一斉発信と自動音声の再生を行うため、大勢のオペレーターを必要とせず、人件費の大幅な削減が可能です。

オペレーターの育成コストも削減できます。高品質な電話対応を実現するには、オペレーターへの適切な指導、教育が欠かせません。マニュアルの作成やOJTの実施など、育成には相応のコストがかかります。

オートコールを導入し、高品質な自動音声を用意しておけば、オペレーターの育成が必要ありません。そのため、マニュアル作成コストや研修の実施で発生していた各種コストを圧縮できます。

オペレーターの心理的な負担の軽減

電話は、一方的に相手の時間を奪ってしまうコミュニケーションツールとも言えるため、見知らぬ人からの架電に不快感を示す方も少なくありません。そのため、テレアポ営業や電話リサーチなどでは、オペレーターが相手から心ない言葉を投げかけられたり、話を最後まで聞かずに電話を切られたりといったことも多々あります。

システムによる電話発信と音声案内が可能なオートコールなら、オペレーターの心理的負担の軽減に有効です。オペレーターが直接会話する必要がなくなるため、ストレスを溜める心配がなく、優秀な人材の流出回避にもつながります。また、リストを見ながら個別に架電しなくてよいため、体力的な負担の軽減にも有効です。

業務の標準化による品質向上

オートコールはシステムによる自動対応なので、業務品質の標準化および向上が可能です。従来のテレアポ営業やリサーチ業務などでは、オペレーター個々のスキルや経験によって成果が左右されるケースが少なくありませんでした。

個々のスキルが異なれば、成果にも大きく影響を及ぼします。1日に100件架電できる人もいれば、半分の50件にも満たない人、1時間で3件のアポをとれる人がいる一方で、1件もとれないといったオペレーターもいます。オートコールを導入すれば、一定品質のもと架電できるため、スキルによる成果のばらつきなども発生しません。結果的に安定した成果を得やすくなるメリットがあります。

オートコールの選定ポイント

オートコールシステムやサービスは多々あるため、どれを選ぶべきなのか頭を悩ませる方も少なくありません。主な選定ポイントは以下の通りです。

・利用用途
・最大コール数
・対応音声の種類や品質
・オペレーターへの転送機能
・アンケートの分岐設定
・SMS送信機能

それぞれのポイントについて、詳しく解説します。

利用用途

オートコールシステムやサービスはいくつもリリースされており、それぞれ特徴や実装している機能などが異なります。導入を進める前に、まずは想定している用途にマッチした機能を備えているかどうかを確認しましょう。

利用用途によって必要となる機能は異なります。たとえば、新商品の案内などで相手からの折り返し連絡を想定しているのなら、オペレーターへの転送機能を備えたシステムが適しています。システムの選定を進める前に、まずは利用用途の明確化と必要な機能の抽出を行いましょう。

最大コール数

システムやサービスによっては、1日あたりの最大コール数が制限されるものもあります。1日あたりの架電数上限は、システムによって大きく異なるため、事前に確認しておきましょう。

1日あたりの最大コール数が少ないシステムの場合、有効な活用ができないおそれがあります。たとえば、大勢を対象としたアンケート調査やテレアポ営業などでは、コール数が制限されると想定した成果を得られないかもしれません。

対応音声の種類や品質

双方の顔が見えない電話でのコミュニケーションでは、声のトーンや話し方などが印象に大きく影響します。そのため、システム選定の際には対応音声の種類や品質を必ずチェックしましょう。

システムによって、対応音声の種類や品質はさまざまです。プロの声優による音声を利用したサービスもあれば、合成音声しか利用できないシステム、そもそも選択肢がほとんどないオートコールもあります。自社商品やサービスの性質などを考慮し、最適な対応音声を利用できるシステムを選定しましょう。

オペレーターへの転送機能

オペレーターへの転送機能を備えたシステムなら、必要に応じてオペレーターが直接対応できます。電話を受けた側が、「もっと商品について詳しく知りたい」といったシーンにおいて、オペレーターが詳しく説明できれば購買意欲を高められます。個々のニーズにあわせた適切な対応が可能となるため、オペレーターへの転送機能があるかどうかは要チェックです。

アンケートの分岐設定

アンケートの分岐設定とは、相手の回答内容によって選択肢を変えられる機能です。当該機能によって、より精度の高いアンケート結果を抽出できます。相手のニーズや必要に応じて、適切なオペレーターへ振り分けられる機能も実装していれば、より柔軟な対応が可能です。

SMS送信機能

電話だけでなく、SMSも送信できる機能を実装しているシステムなら、さらに幅広い活用が可能です。たとえば、音声でアンケートの案内を送ったあと、SMSでアンケートのURLを送信し回答してもらうといったこともできます。

SMS送信ができれば、音声だけでは伝えにくい情報を正確に伝えられます。テキストで情報を送れるため、相手が情報を聞き漏らす心配もありません。

オートコールを活用して架電業務を効率化!

テレアポ営業や督促、アンケート調査など、オートコールはさまざまなシーンで活用できます。アウトバウンド業務の効率化とそれに伴う生産性の向上、オペレーターの心理的負担軽減、電話対応品質向上など、多くのメリットを得られるのもオートコールの魅力です。

架電や受電業務の効率化を実現したいのなら、「ソクコム」がおすすめです。多機能なオートコールサービスであり、CRMやSFAなど外部ツールとも連携できます。「誰でも使える」をコンセプトに開発されたシステムゆえに使いやすく、クラウド型なので導入も容易かつスピーディーです。この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

監修: 阿野正貴

Foonz株式会社 執行役員(兼 CP事業本部 副本部長)
急成長ベンチャー企業のコールセンターにて、テレアポスタッフとして入社後、
1年以内にトップ成績を上げて、BPO事業のアウトバウンド・インバウンドのコールセンター拠点立ち上げの責任者に抜擢される。
最大100席以上の大規模拠点を、ゼロから複数の立ち上げ実績あり。
2021年Foonz株式会社に入社後、CTIツールの営業拡販、CPaaS、CTI製品開発の監修等に携わり、現職に至る。
CTI製品に精通した、BtoC,BtoBテレアポ、コールセンター拠点立ち上げの専門家。

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