【例文集付】IVRの音声ガイダンスとは?作成方法とコツもご紹介
2025.05.26
2025.05.26
- 目次
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- IVR(電話自動応答システム)とは
- IVRの概要
- IVR音声ガイダンスの流れ
- コールセンターにおけるIVR
- IVR導入で音声ガイダンスを利用するメリット
- 有人対応の業務効率化
- オペレーターの負担軽減
- 営業時間外の自動対応
- 顧客対応品質の向上
- IVRの音声ガイダンス設計の5つのコツ
- 選択肢の数を絞る
- 短く簡潔なガイダンスにする
- 問い合わせに対応できる選択肢を用意する
- 分かりやすい言葉遣いを心がける
- 適切な会話スピードで音声を作成する
- 【シーン別】IVRの音声ガイダンスの例文
- 導入時の挨拶と案内
- 用件別にお問い合わせの振り分け案内
- 待ち時間案内
- 営業時間外案内
- 予約や予約確認の案内
- SMSへ引き継ぐ案内
- IVRの自動音声ガイダンスを活用して業務効率化!
IVRの音声ガイダンスを利用すると、問い合わせの電話がかかってきた場合に、自動応答による情報提供が可能になります。顧客からのよくある質問への受け答えや簡単な手続き処理も、あらかじめ設定した音声による自動応答が可能です。
本記事では、IVRの概要や基本的な機能から、IVRで音声ガイダンスを利用する利点、システム利用時の流れや作成する際のコツまで詳しく解説します。さまざまなシーン別の案内に使える例文も紹介しているため、導入の参考にしてください。
IVR(電話自動応答システム)とは
IVR(電話自動応答システム)は、顧客からかかってきた電話へ応答を自動で行うシステムを指します。こちらの章では、IVRの概要と、コールセンターにおけるIVRに関して詳しく解説します。
・IVRの概要
・IVR音声ガイダンスの流れ
・コールセンターにおけるIVR
IVRの概要
IVR(Interactive Voice Response)とは、「電話自動応答システム」とも呼ばれる、かかってきた電話に対して自動で音声による案内を行うシステムのことです。IVRを導入している企業に顧客が電話をかけた場合、音声の案内に従って用件別に電話機の数字を押すことで、該当する部署に自動で接続されます。また、あらかじめ設定していた自動音声で、顧客が求める情報を提供する活用方法もあります。
顧客からの電話を受けた際には、その目的に合った部署への転送が必要です。IVRを導入すると通話の転送が自動化されるため、これまで電話を受けてから転送するという業務が減り、オペレーターの負担が軽減されます。IVRは、電話応答業務の効率化を目的として、企業のコールセンターやカスタマーサポート、予約受け付けなどで幅広く利用されています。
IVR (電話自動音声応答) とは?仕組みとメリットを解説
IVR音声ガイダンスの流れ
IVRは、着信があった時点で起動します。着信後には、顧客の用件に合った番号の選択を促す音声が流れます。その案内に従って目的に合った番号を顧客自身が選択していくのが、基本的な流れです。
選択した番号に基づいて次の音声が流れることで、選択肢となる複数の番号が再度案内されるほか、目的別の窓口に転送されます。オペレーター対応に切り替わる際には、接続までにかかる待ち時間の案内も提供されます。ほかにも、営業時間外の対応として営業時間の案内やWebサイトなどからできる問い合わせの方法を知らせる設定も可能です。
コールセンターにおけるIVR
IVRは、顧客からの問い合わせを自動的に振り分けて担当者へつなぐ機能を持つシステムです。この機能によって、オペレーターの電話対応業務の負担を軽減します。オペレーターが担当者に転送するよりも迅速に振り分けされることで、待ち時間の短縮によるサービスの向上が期待できます。
よくある質問に対しても、あらかじめ設定した文章で回答できるため、オペレーターが直接質問に答える手間を省略でき、対応業務の大幅な削減につながります。IVRは、効果的な活用によってコールセンター業務の効率化と品質向上を実現するツールです。
IVR導入で音声ガイダンスを利用するメリット
次に、IVR導入で音声ガイダンスを利用するメリットについて解説します。IVR導入で得られるメリットには、大きく分けて以下の4つがあります。
・有人対応の業務効率化
・オペレーターの負担軽減
・営業時間外の自動対応
・顧客対応品質の向上
有人対応の業務効率化
IVRを導入すると、問い合わせ内容に応じて最適なオペレーターにつなげられるため、効率的なオペレーションが可能になります。顧客自身の操作で自動的に担当窓口に接続できるため、目的の窓口が分からず複数の窓口にまわされるリスクを防げます。また適切な対応を設定していれば、よくある質問等を自動応答にできるため、オペレーターはより複雑な問い合わせに集中できます。商品やサービスの種類が多い企業の場合なら、顧客からの問い合わせに対して、IVRが専門知識のある担当オペレーターへの迅速な転送を行います。
電話の振り分けや簡易的な応答、手続きなど、一定のオペレーター業務の自動化によって、人材不足が解消されるほか、さらに人件費を削減できるといった経済的なメリットにもつながります。
オペレーターの負担軽減
簡単な問い合わせや手続きを受け付ける場合にも、IVRの音声案内が有効です。質問内容や目的に合わせて顧客からの問い合わせが適切な窓口に振り分けられるため、オペレーターの人員配置を最適化し、業務負担の偏りの軽減を実現します。IVRを活用すると、生年月日や電話番号などの情報も顧客が自分で入力できます。
この機能によって、口頭で情報を確認する際の情報漏洩のリスクも防げるうえ、オペレーターの聞き間違いや入力ミスなども防げます。また、間違い電話や営業電話などがかかってきた場合にもIVRで対応できるため、オペレーター業務の負担が軽減されます。
営業時間外の自動対応
IVRによって、営業時間外にも一定の応対が可能となります。IVRで営業時間外のアナウンスを流すほか、メールやチャットボットなどを使用する手段を案内すれば、時間外でも顧客のサポートが可能です。時間外の受け付けを行うサービスの提供は、忙しくて営業時間内になかなか連絡ができない顧客のニーズにも対応します。
自動音声による通話なら顧客の問い合わせや申し込みを24時間365日いつでも受け付けられるため、機会損失を防止できます。適切な対応を設定しておけば、営業時間内での問い合わせ数を減らすことができ、混雑する時間帯における電話応答の負担軽減も可能です。
顧客対応品質の向上
IVRの音声案内で顧客からの着信を適切な担当部署に転送することで、問い合わせ待ち時間の短縮が可能です。また、新商品やサービスが提供された時期など問い合わせが集中しやすい期間でも、IVRが顧客の着信に対して一次対応を行うため、応答率の低下を防げます。
顧客が自身の操作で情報を取得でき、簡単な手続きまで行える環境の構築は、IVRの得意分野です。時間を気にせずいつでも使える利便性の高いサービスを提供することで、顧客対応の品質が向上し、顧客満足度も高まります。
IVRの音声ガイダンス設計の5つのコツ
さまざまなメリットがあるIVRを活用する際には、音声ガイダンス設計が欠かせません。顧客に満足してもらえるIVRを導入するためには、ポイントを押さえて設計することが重要です。音声ガイダンスは、以下のポイントを押さえて設計しましょう。
・選択肢の数を絞る
・短く簡潔なガイダンスにする
・問い合わせに対応できる選択肢を用意する
・分かりやすい言葉遣いを心がける
・適切な会話スピードで音声を作成する
選択肢の数を絞る
IVRの音声ガイダンス設計を行う際には、選択肢の数に注意が必要です。人間の脳が記憶できる情報量には限りがあります。選択肢が多すぎると内容を覚えきれず、どの番号を押せばよいか混乱するだけです。音声案内を使用するためにメモを用意するといった手間がかかると、顧客はストレスを感じやすくなります。
記憶しやすい選択肢の数は3つから4つ程度です。選択肢の数を絞ると、メモを取らなくてもガイダンスの内容を記憶しやすくなり、スムーズに番号を選択して目的の窓口へ辿り着けます。
また、選択肢が多い場合、番号を選ぶまでの通話時間も長くなります。通話時間の長さが顧客のストレスにつながる場合もあるため、選択肢はストレスなく利用できる数に絞り込むことが重要です。
短く簡潔なガイダンスにする
顧客の多くは、問題を迅速に解決するために企業への問い合わせを行います。ところが電話のガイダンスが長すぎると、オペレーターにつながるまでに待ち時間が発生します。丁寧さを意識して長い案内文を設定すると、かえってストレスを感じやすくなるため注意が必要です。
ガイダンスは、顧客にストレスを感じさせないために、迅速な誘導を優先して短く簡潔にまとめることが大切です。受け付け窓口にかける電話の通話料が有料の場合もあるため、説明が長いと通話料の負担が大きくなる問題もあります。顧客のストレスや負担を軽減するためにも、短い案内文の作成が求められます。
問い合わせに対応できる選択肢を用意する
IVRの音声ガイダンスには、顧客が利用しやすいものにするため、さまざまな用件に対応できる選択肢の用意が大切です。顧客の用件に対応する選択肢が用意されていない場合には、どの選択肢を選べばよいか分からなくなります。
よくある質問などをもとに、幅広い用件に該当する選択肢を設定することで、顧客は自身に合った選択肢を選べます。適切な選択肢の設定によってオペレーター対応が不要となり、IVRだけで振り分けができるため、目的とする窓口への迅速な案内も可能です。
さらに、IVRの情報で問題が解決できなかった場合を考慮して「オペレーターへつなぐ」の選択肢も用意します。「オペレーターへつなぐ」の選択肢は、途中で操作が分からなくなった顧客のサポートにも有効です。途中を聞き逃した、忘れたなどの理由で次にどう操作すればよいか迷った場合でも、オペレーターにつながることでその後のサポートをしてもらえるため、安心して問い合わせを行えます。
分かりやすい言葉遣いを心がける
音声ガイダンスは、顧客に操作を促す目的で流します。音声だけをたよりに操作しなければならないため、誰が聞いてもすぐに理解できる文章を設定します。できるだけ難しい言葉は避け、簡単で分かりやすい言葉で説明することが大切です。
また、ガイダンスの説明が明瞭でないなど、顧客が迷う言い回しを使用すると、どの選択肢も選べずにオペレーターにつながってしまうことになります。IVRを効果的に活用するためには、誰が聞いても分かりやすい言葉や表現を使った文章の作成が大切です。
適切な会話スピードで音声を作成する
音声ガイダンスのスピードは、聞き取りやすさに影響します。話すスピードが速すぎると言葉の聞き逃しが起きてしまうため、誰でも聞き取れる程度のゆっくりとした速度で話すのがおすすめです。また暗い話し方では顧客に悪い印象を与える場合もあるため、明るくはっきりとした話し方を意識して音声を作成します。聞き取りやすく、多くの人に好印象を与えられるガイダンスを設定できると、企業イメージの向上にもつながります。
【シーン別】IVRの音声ガイダンスの例文
IVRには、業務内容や問い合わせ内容に応じたさまざまな自動音声の設定が可能です。以下にシーン別のガイダンス例文をいくつか紹介するので、ガイダンステキストを作成する際の参考にしてください。
・導入時の挨拶と案内
・用件別にお問い合わせの振り分け案内
・待ち時間案内
・営業時間外案内
・予約や予約確認の案内
・SMSへ引き継ぐ案内
導入時の挨拶と案内
【コールセンター例】
「お電話ありがとうございます。こちらは○○コールセンターでございます。次の音声ガイダンスに従って、用件に該当する番号を選択してください。」
【店舗例】
「いつもご利用いただきありがとうございます。こちらは○○でございます。ご案内する内容から、ご用件に合う番号を選択してください。」
コールセンターと店舗に問い合わせがあった際に最初に流れる文章の例文です。電話をかけてきた顧客への最初の挨拶と、案内に沿った操作を促しています。
用件別にお問い合わせの振り分け案内
【コールセンター例】
「ご契約内容の確認は1、ご契約内容の変更は2、料金のお支払いに関するお問い合わせは3、その他お問い合わせは4を選択してください。」
【金融機関例】
「カードの紛失・盗難等に関するご連絡は1、カード利用限度額の変更は2、リボ払いへの変更は3、その他お問い合わせは4を選択してください。」
顧客の問い合わせ内容を用件別に振り分ける際の例文です。多くの問い合わせが寄せられる用件など、3~4件程度設定して顧客の選択を促します。
待ち時間案内
【コールセンター例】
「ただいま電話が大変混み合っております。順番にオペレーターにおつなぎしますので、しばらくお待ちください。予想される待ち時間は○分です。」
【レストラン例】
「ただいま電話が大変混み合っておりますので、しばらくお待ちください。ご予約はホームページからもお申し込みが可能です。ホームページからのご予約も併せてご利用ください。」
電話回線の混雑によって待ち時間が発生している状態の案内文です。現在の混雑状況を伝えて、待ち時間が生じていることを説明します。あとどの程度待つことになるか分かる場合には、待ち時間の説明も含めるのがおすすめです。レストランの予約受け付けでは、電話ではなくホームページからの予約方法もお知らせしています。
営業時間外案内
【コールセンター例】
「ただいまの時間は、営業時間外となっております。当コールセンターの営業時間は平日○○時から○○時までです。誠に恐れ入りますが、営業時間内にもう一度おかけ直しください。」
【レストラン例】
「レストラン○○です。本日の営業は終了いたしました。当店の営業日は○○時から○○時です。誠に恐れ入りますが、営業時間内のお電話をお待ちしております。」
「レストラン○○です。誠に恐れ入りますが、本日は休業日となっております。当店の営業日は〇曜日から〇曜日です。またのお電話をお待ちしております。」
営業時間外の案内を行うガイダンス例です。現在の時間が営業時間外と顧客に伝えてから、顧客がかけ直しても電話がつながる時間帯を営業時間の案内でお知らせしています。
予約や予約確認の案内
【レストラン予約例】
「お電話ありがとうございます。レストラン○○自動予約受け付けシステムです。ご予約の確認は1、ご予約は2、ご予約の変更は3を選択してください。」
「(2の予約を選択後)希望の予約日を4桁の数字で入力してください。」
「(予約日入力後)○月○日のご予約ですね。ご希望の時間が午前10時30分から午後12時の場合には1を、午後12時から午後2時30分までの場合には2を、午後4時から午後6時の場合には3を選択してください。」
「(時間入力後)○月○日午前10時30分から午後12時のご予約を承りました。予約番号は○○です。ご来店をお待ちしております。」
【予約確認例】
「(1の予約確認を選択後)予約番号をご入力ください。」
IVRによる予約受け付けを行う際のガイダンスの流れです。最初に店舗名と予約を受け付けている旨を伝えてから、顧客に予約確認や予約、予約変更の選択を促します。その後、予約を選んだ場合には日付、時間の順に、ガイダンスに沿った操作で予約手続きを進めていく例文です。予約確認をする場合には、始めの選択から予約確認の案内に進みます。
SMSへ引き継ぐ案内
【コールセンター例】
「詳しい内容はこのSMSに案内をお送りしますので、ご確認ください。」
「SMSに詳しい案内を送信してよろしいでしょうか。希望される場合は1、希望されない場合は2を選択してください。」
顧客からの問い合わせ電話に音声情報だけでは対応できない場合に使用する、SMSで案内を送る旨の例文です。SMSには、文章だけでなくURLの貼り付けも可能です。よくある質問が掲載されているページのURLを送る前などに、詳しい内容を送る旨を伝える、もしくは送信を希望するかどうかガイダンスで確認する例文を設定します。
IVRの自動音声ガイダンスを活用して業務効率化!
IVRの自動音声ガイダンスを導入すると、顧客からの問い合わせ電話が着信した際にオペレーターの対応を必要としない自動応答が可能になります。業務やシーンに応じたガイダンスの設定によって、電話の着信時にIVRが起動し、顧客は自身の操作で目的に応じた窓口への接続や、簡単な手続きも行えます。
IVR機能を活用できるソクコムを活用してIVRの音声ガイダンスを取り入れると、オペレーターがこれまで対応していたさまざまな電話応答の業務負担が軽減されます。IVRを効果的に活用することで、電話業務の効率化が実現します。
監修: 阿野正貴
Foonz株式会社 執行役員(兼 CP事業本部 副本部長)
急成長ベンチャー企業のコールセンターにて、テレアポスタッフとして入社後、
1年以内にトップ成績を上げて、BPO事業のアウトバウンド・インバウンドのコールセンター拠点立ち上げの責任者に抜擢される。
最大100席以上の大規模拠点を、ゼロから複数の立ち上げ実績あり。
2021年Foonz株式会社に入社後、CTIツールの営業拡販、CPaaS、CTI製品開発の監修等に携わり、現職に至る。
CTI製品に精通した、BtoC,BtoBテレアポ、コールセンター拠点立ち上げの専門家。
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