電話応対にお困りの方へ!電話業務を効率化する方法とポイントを解説
2025.08.31
2025.08.31
「電話対応に時間を取られすぎて業務が思うように進まない」「聞き間違いや伝達ミスが多い」「従業員の不満が溜まっている」というような課題を抱えている企業は少なくありません。
本記事では、電話業務が非効率になる原因を明らかにし、業務改善につながる具体的な解決策を紹介します。社員教育やシステムの導入、外部への委託など、電話応対の負担を減らし、生産性と従業員の満足度を高めるためのヒントもあわせて確認したうえで、電話業務の見直しを行いましょう。
電話業務を効率化するべき理由
電話対応は多くの企業で欠かせない業務ですが、対応に時間を取られすぎると、従業員の生産性やモチベーションの低下を招く原因にもなります。ここでは、電話業務を効率化すべき主な理由を以下の4点にまとめ、解説します。
・電話対応に追われて、他の業務に集中できない
・聞き間違えや伝達ミスで機会損失が起こる
・人的コストがかかる
・従業員の不満が溜まる
電話対応に追われて、他の業務に集中できない
電話対応が頻繁に必要になる職場環境は、従業員の業務への集中力を奪う大きな原因となる可能性があります。例えば、1件の電話対応に2分かかると仮定すると、1日に50件対応した場合、合計で約100分(1時間40分)もの時間が電話対応に費やされることになります。勤務時間の約1時間40分を電話対応業務が占める状況では、本来の業務に取り組む時間が不足してしまう事態になりかねません。
また、かかってきた電話に対応するためには、それまで取り組んでいた作業の手をいったん止めて電話を取る必要があります。電話対応が頻繁に発生すると、作業が何度も中断されるため、従業員がストレスを抱きやすくなることが考えられます。また、電話対応が終わって作業を再開しても、集中力がすぐに戻るとは限りません。集中力を維持しづらくなるため、従業員のパフォーマンスも低下します。
さらに、「新人だから」「電話機に近いから」などの理由で電話対応が特定の従業員に偏るケースも珍しくありません。その従業員がチームや会社にとって重要な業務を担当している場合には、その人自身が本来の業務に集中できなくなるだけでなく、プロジェクトの進行遅延によりチーム全体の業務効率が低下することも考えられます。電話の保留時間が長くなったり、電話対応が挟まることで社内での報告が遅れたりすることも、チーム全体の業務効率が下がる要因のひとつです。
聞き間違えや伝達ミスで機会損失が起こる
電話対応に慣れていない従業員が業務を担当すると、聞き間違えや伝達ミスが起こりやすくなることに注意が必要です。特に、電話に出た従業員が取引先の社名や業界用語などに詳しくない場合、口頭でのやり取りでは情報を正確に理解することが難しいため、誤解が生じるリスクが高まります。このようなミスが続くと、顧客対応の質が下がって信頼を失うだけでなく、契約や販売のチャンスを逃しかねません。
また、電話業務の負担が大きい職場では、対応する人や回線が足りず、電話に出られないことで機会損失が発生する恐れがあります。「なかなか電話がつながらない」「折り返しの対応が遅い」などの事態も起こりやすくなるため、取引先や顧客に「社内の管理が行き届いていない」といったネガティブな印象を持たれやすくなることも考えられます。機会損失や企業イメージの低下といったリスクを防ぐためにも、業務の自動化や対応体制の見直しといった対策が必要です。
人的コストがかかる
電話業務を円滑に進めるためには、専任スタッフの配置が不可欠です。しかし、そのためには人材の採用や社内異動、教育などにかかる人的コストを増やす必要があります。人件費削減を見込んで特定の従業員数名に電話対応業務を集中させた場合、時間外労働が発生しやすくなり、かえって残業代などの追加コストが膨らむ可能性があることに留意しましょう。
また、電話対応の品質を維持するためには適切な人数の人員を確保する必要がありますが、電話対応には設備の導入費や運用費など人件費以外のコストもかかります。そのため、予算の都合で人員を増やすことが難しい企業も少なくありません。コスト面がネックとなり人員を確保できない場合は、電話への対応力が下がり、顧客満足度や従業員満足度の低下につながる恐れがあります。
電話対応の品質を向上・維持するには、人員確保だけでなく従業員の対応スキルを高めることも重要です。例えば、電話対応マニュアルを整備すれば、担当者だけでなく、新人や電話対応に慣れていない従業員もスムーズな対応ができるようになります。しかし、マニュアルの作成には時間と費用がかかります。人的・設備的な負担が重なれば、企業全体の対応力も低下しかねません。
従業員の不満が溜まる
電話対応が従業員にとって大きなストレスの原因となるケースが多いことも、電話対応を効率化すべき理由のひとつです。特にクレーム対応やトラブル対応の電話は精神的な負担が重く、その結果、電話を避けるようになる従業員も少なくありません。
また、近年ではスマートフォンや携帯電話が普及したこともあり、若い世代を中心にメールやSNSが連絡手段として利用されることが多くなりました。その一方で固定電話の利用が減ったため、若手社員が電話対応自体に慣れていない場合もあります。
電話対応を非効率にしている原因
電話対応を非効率にしている状況には、以下のような根本的な要因が潜んでいるケースがあります。
・取次ぎや伝言に手間がかかっている
・不要な営業電話対応に時間をかけている
・営業時間外の電話に有人で対応している
・何度も同じ問い合わせに対応している
・電話以外の連絡手段がない
ここでは、上記それぞれのケースについて詳しく見ていきます。
取次ぎや伝言に手間がかかっている
会社には取引先や顧客など、さまざまな相手からそれぞれの担当者あてに電話がかかってきます。しかし、電話をとった従業員が必ずしも当該業務の担当者とは限りません。担当者以外の従業員が電話に出た場合は、担当者に取り次いだり、相手の用件を確認して伝言をまとめたりする工程が発生することになります。
この工程では、「相手の氏名や用件」「担当者が誰か」「担当者は電話に出られる状況か」などの点を確認したうえで、「取り次ぐか、折り返し連絡するか」を判断しなければなりません。また、取り次ぐべき相手がはっきりしない場合は、誰に伝えるべきか判断する工程も追加されます。確認する点や判断すべき事柄が多いため、電話を受けた人にも電話をかけてきた相手にも時間的なロスが発生します。
このような対応の負担は、業務効率に大きく影響する「見えないコスト」となっています。
不要な営業電話対応に時間をかけている
会社にとって必要のない営業電話の対応に日々の業務に使うべき時間が奪われることも、電話対応が非効率になっている理由のひとつです。
営業電話は事業に直接関係しない内容が多いにもかかわらず、対応には一定の手間がかかります。日々の業務が圧迫されるうえに集中も妨げられるため、作業効率が大きく低下しかねません。残業の増加や生産性の低下を引き起こすことも考えられます。営業電話がかかってきた場合は早い段階で具体的な要件を尋ね、担当者に確認したうえで明確かつ丁寧に断ることが大切です。
営業時間外の電話に有人で対応している
近年では働き方改革が進み、ワークライフバランスを重視した働き方を選択する従業員も増えています。一方で、営業時間外の電話であっても従業員が対応している企業も珍しくありません。営業時間外にも頻繁に電話対応が発生するような環境では、従業員の負担が増えるうえ、残業代などのコストも増大します。
このような状況が続けば、従業員が会社を辞めてしまう事態にもつながりかねません。業務の効率化と従業員の健康管理の両方の観点からも、企業には持続可能な電話対応体制の構築とともに、無駄な負担を減らすための明確なルールの策定や、働きやすい職場環境を整えることが求められます。
何度も同じ問い合わせに対応している
顧客や従業員から寄せられる問い合わせの中には、内容が似ているものも多く見られます。しかし、毎回それぞれの問い合わせに対して個別に対応していると、人的リソースが消耗し、業務効率が大きく下がってしまいます。特に電話対応の場合は、たとえ簡単な質問であっても作業が中断されるため、生産性や集中力に悪影響を及ぼしかねません。
よくある問い合わせや定型的な問い合わせがある場合は、自社サイトや資料などにFAQ(よくある質問)を整備したり、チャットボットを導入して問い合わせへの対応を自動化したりすることが有効です。こうした仕組みを活用すれば、担当者はより高度な対応に集中できるようになり、結果として全体の業務品質も向上します。
電話以外の連絡手段がない
多くの企業において、電話は主な連絡手段のひとつとして利用されています。しかし、現代の業務環境では、電話だけに頼る連絡体制は効率的とはいえません。電話はリアルタイムでの対応が求められるため、対応件数が増えると業務の負担が大きくなり、柔軟な働き方や情報のスムーズな共有が妨げられてしまうためです。
電話対応の負担を減らすには、メールやチャットボット、FAQなど電話以外の伝達ツールを活用することが重要です。これらのツールを活用すれば、対応を効率化・自動化できるため、かかってくる電話の件数が減ることも期待できます。問い合わせ履歴の記録・管理も円滑に行えるようになるため、同じような問い合わせにも素早く対応できると考えられます。業務負担軽減と業務効率化につなげるためにも、代表電話の役割を見極めながら、電話以外の連絡手段も併用していくことが大切です。
電話応対を減らす解決策
電話応対の負担を軽減するには、業務の見直しを行うとともに、適切な対策を講じることが重要です。ここでは、電話業務の削減につながる具体的な解決策を以下のようにまとめました。
・社員教育の徹底
・非効率な電話業務の原因分析
・電話以外のお問い合わせ窓口を設置
・システムの導入
・業務の外注化
ここでは、上記の対策について、それぞれ詳しく解説します。
社員教育の徹底
従業員が電話対応に追われるといった状況を改善するためには、単に業務を自動化するだけではなく、従業員が効率的かつ的確に対応できる体制を整えることが求められます。まずは、基本的な電話対応マナーを従業員全員が身につけられるよう、社員教育をしっかりと行うことが大切です。
電話対応に関する社員教育においては、「会社の顔」としての自覚を持ち、敬語や敬称の正しい使い方、受け答えの流れといった基本を理解してもらうことが重要になります。「メモを用意する」「電話機の操作を再確認する」など、電話に出る前の心構えについても十分に周知しておきましょう。また、社員教育を継続的に行うことやマニュアルを整備も大切です。
社内での教育を徹底することにより、不要なやり取りや誤った対応が発生する頻度を低減できるため、対応の質を一定に保ちながら、電話応対の件数も減らせます。
非効率な電話業務の原因分析
電話対応業務の効率化に向けて、業務の仕組みにかかわる課題解決が求められることがあります。例えば、それぞれのプロジェクト・業務の担当者に関する情報がうまく共有されていなかったり、伝言の内容が不正確だったりした場合には、対応に時間や手間がかかる場合があります。また、電話対応業務が特定の人に偏っている場合には、受電漏れや他の業務の停滞といったトラブルも発生しやすくなります。
このような課題を解決するためには、まず問い合わせ窓口を明確にし、顧客情報を共有できる体制を整えることが有効です。また、「通話時間や内容を記録する」「人員配置を見直す」「KPI(重要業績評価指標)を設定する」といった取り組みを通して現状を見える化し、具体的な課題を把握することも大切です。業務の効率化と顧客満足度の向上を図るためにも、対応用のテンプレートを見直すなど、継続的に改善を繰り返すようにしましょう。
電話以外のお問い合わせ窓口を設置
電話対応の負担を減らすためには、複数の問い合わせ方法を用意することが効果的です。例えば、自社Webサイトにお問い合わせフォームやチャット機能を設置すれば、顧客は電話以外の方法でも気軽に連絡できるようになります。
また、よくある質問をまとめたFAQページを充実させることで、顧客自身が疑問を解決できる環境を整えられます。これにより、電話対応しなければならない件数も減らすことが可能です。さらに、チャットボットを導入すれば、24時間自動で問い合わせに応答できるため、従業員の負担を軽くするのにも役立ちます。
加えて、SNSを活用した対応も有効です。例えば、X(旧Twitter)やFacebook、Instagramなどの公式アカウントで質問に答えると、その投稿が拡散されやすくなります。その結果、同じ疑問を持つ他の顧客にも情報が届くため、電話などを用いた個別の問い合わせ件数が減ると考えられます。
また、SNSを活用した問い合わせ対応は、企業側だけでなく顧客側にもメリットがあります。顧客は普段使い慣れているツールで質問できるため、いつでも気軽に問い合わせられます。顧客の利便性・満足度向上を図れるとともに、企業と顧客の接点を広げられる方法です。
システムの導入
電話対応の効率化を図るうえで、業務をサポートする各種システムの導入は欠かせません。以下、社内外の連携を強化し、対応時間の短縮にもつながる代表的なツールをご紹介します。
コミュニケーションプラットフォーム
電話対応の負担を減らすには、業務効率を高めるシステムを導入することが効果的です。特に注目したいのは、社内のコミュニケーション活動を一元的に管理できる「コミュニケーションプラットフォーム」です。この仕組みを使えば、各プロジェクトの担当者やそれぞれの顧客の担当者がわかりやすくなり、チャットやメールなどを用いてリアルタイムで情報共有できるため、対応のスピードや正確さも向上します。
また、コミュニケーションプラットフォームで顧客と担当者が直接やり取りできれば、取次ぎや伝言といった手間もかかりません。このように、電話だけに頼らないコミュニケーション体制を構築することも可能です。
また、状況に応じてコミュニケーションプラットフォームと他のシステムとを組み合わせて使用することもおすすめです。例えば、CTI(コンピューターと電話の連携システム)と統合すれば、通話履歴や顧客情報をすぐに確認できるようになり、電話対応をよりスムーズに行えるようになります。
IVR(音声自動応答ガイダンス)
IVR(音声自動応答ガイダンス)は、顧客からの問い合わせに関する電話に自動で応答するためのシステムであり、電話対応を効率化して従業員の業務の負担を減らすための有力な方法のひとつです。IVRを活用すれば、顧客は自動音声の内容に従って電話機のボタンを押すだけで、問い合わせ内容に適した部門や担当者につながります。
一方で、選択肢が多すぎたり操作が複雑だったりすると、顧客が不満を感じるケースもあることに注意が必要です。特に、急いで対応してほしい場合に、長いガイダンスや複数回にわたるボタン操作といった工程があると、ストレスが溜まり顧客満足度が下がる恐れもあります。IVRを導入する際は、誰でも直感的に使えるシンプルなメニュー設計を心がけましょう。
なお、IVRにはオンプレミス型とクラウド型があり、それぞれにメリットと注意点が存在します。初期費用を抑えたい場合はクラウド型を、自社に適した複雑なカスタマイズを行いたい場合はオンプレミス型を選ぶなど、自社の状況に適したタイプを選びましょう。
クラウドPBX
PBXとは外線・内線の接続や、内線同士の接続などの制御を行う役割を持つ「電話交換機」のことを指します。従来はPBXの物理的な機器をオフィスに設置していましたが、近年では、電話交換機としての機能をクラウド上に設置する「クラウドPBX」を利用する企業も増えてきました。
クラウドPBXを利用すれば、電話機だけでなくスマートフォンやパソコンを内線端末として使えるので、インターネットに接続できる環境であれば外出先や在宅勤務中でも会社の電話番号で発着信が可能です。通話録音や転送といったビジネスに必要な多くの電話機能も備えているため、取次ぎや伝言といった手間も大幅に削減できます。
クラウドPBXは、従来のPBXのように物理的な機器を設置する必要がないため、導入コストを抑えつつ、短期間で運用を始められます。
業務の外注化
電話対応業務の外注化も、電話対応による従業員負担を減らして業務の効率を上げる方法のひとつです。例えば、専門のコールセンターやBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)企業に電話対応を任せることで、社内の人材を本来の重要な業務に集中させられます。その結果、対応の質を保ちながら、対応にかかる時間の短縮や人件費削減を実現できます。
電話業務を効率化するならソクコム
電話業務が非効率なままだと、生産性や従業員・顧客の満足度低下、機会損失といった事態が起こりやすくなり、企業の運営にさまざまな悪影響が生じます。これらの課題を解決するためには、対応体制の見直しだけでなく、FAQやチャットボットの整備、クラウドPBXやIVRといったシステムの導入が効果的です。特にCTIシステムは通話履歴や顧客情報を一元管理できるため、対応の質や業務効率の向上に大きく役立ちます。
「ソクコム」は、さまざまなコミュニケーション手段をひとつのプラットフォームに統合し、業務効率化と売上向上を支援するクラウド型サービスです。ぜひ活用をご検討ください。
監修: 阿野正貴
Foonz株式会社 執行役員(兼 CP事業本部 副本部長)
急成長ベンチャー企業のコールセンターにて、テレアポスタッフとして入社後、
1年以内にトップ成績を上げて、BPO事業のアウトバウンド・インバウンドのコールセンター拠点立ち上げの責任者に抜擢される。
最大100席以上の大規模拠点を、ゼロから複数の立ち上げ実績あり。
2021年Foonz株式会社に入社後、CTIツールの営業拡販、CPaaS、CTI製品開発の監修等に携わり、現職に至る。
CTI製品に精通した、BtoC,BtoBテレアポ、コールセンター拠点立ち上げの専門家。
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