IVR(電話自動音声システム)の導入効果は?事例とともにご紹介!
2025.08.31
2025.08.31
IVR(電話自動音声システム)は、電話対応業務を効率化しながら、顧客満足度も高められる有力な方法です。人手不足や対応品質のばらつきといった課題を抱える企業にとって、IVR導入は業務負担の軽減や対応力の強化につながります。またIVRは、着信・発信の両方に多彩な機能を持ち、業種を問わず幅広く利用されているのが特徴です。
本記事では、IVRの仕組みや導入の背景、具体的な機能、企業・顧客の双方から見たメリットを解説します。また、実際の導入事例を交えながら、IVRの効果についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
IVR(電話自動音声システム)とは?
IVRとは、自動音声により電話応対を効率化するシステムです。人手を介さずに案内や受付ができるため、業務負担の軽減や顧客満足度の向上につながります。ここでは、IVRについて次の内容を解説します。
・IVRの仕組み
・IVRが普及した背景
なお、IVRについては以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
IVRの仕組み
IVR(電話自動応答システム)は、発信者に音声ガイダンスを流し、プッシュボタンの操作や音声認識によって用件ごとに振り分ける仕組みです。このシステムを使うことで、オペレーターを介さずに発信者を適切な窓口へ案内できるため、電話対応の業務が効率化され、人件費の削減にもつながります。以前は高額な専用機器が必要でしたが、最近はクラウドサービスの普及により、中小企業でも手軽に導入できるようになりました。
例えば、よくある問い合わせをIVRで自動処理すれば、オペレーターの負担が減り、本来人が取り組むべき業務に集中できる環境が整います。また、本人確認やSMS(ショートメッセージサービス)との連携など、機能も多様化しています。そのため、企業や公的機関など幅広い分野で活用が進んでいます。情報システム部門や管理部門にとって、IVRは業務の効率化と顧客対応力の向上に役立つ有効な手段といえます。
IVRが普及した背景
コールセンター業界では、クレーム対応や専門知識の習得が必要とされるため、人材が定着しにくい状況が続いています。こうした慢性的な人手不足を受けて、業務の効率化やスタッフの負担軽減を目的にIVRが導入されました。IVRを使うことで、顧客の問い合わせを自動で適切な部署につなげられるため、オペレーターの精神的な負担が減り、顧客満足度の向上にもつながります。
働き方改革やテレワークの普及、問い合わせ方法の多様化、人手不足、労働人口の減少など、コールセンターを取り巻く環境が大きく変化する中で、IVRは現代のコールセンター運営において欠かせない存在となっています。
IVRの機能
IVRの機能は、着信時と発信時のそれぞれに特化した仕組みがあり、目的に応じた使い分けが可能です。ここでは、それぞれの主な機能と活用例を紹介します。
・着信に対する機能
・発信に対する機能
着信に対する機能
顧客対応の質を向上させる着信機能は、業務の効率化にも大きく貢献します。代表的な機能とその活用例は、以下のとおりです。
・自動振り分け機能
「製品に関するご質問は“1”を押してください」といったIVRを使い、要件ごとに担当部署へ自動でつなぐ機能です。例えば通販会社では、返品・交換窓口と注文窓口を分けることで、対応がより迅速になり、顧客満足度の向上につながります。
・折り返し電話予約機能
混雑時に顧客が希望する日時を指定して、折り返しの電話を予約できる機能です。例えば保険会社では、契約更新時期に問い合わせが集中する際、この機能を使って対応を分散させ、機会損失を防いでいます。
・音声録音機能
通話内容を録音し、トラブル発生時の証拠として活用できる機能です。例えば医療機関の予約受付では、聞き間違いを防いだり、対応履歴を確認したりする際に役立てられています。
・タイマー機能
曜日や時間帯に合わせて、音声ガイダンスを自動で切り替える機能です。例えば飲食店では、営業時間外に予約受付の案内を自動化することで、顧客対応の幅を広げています。
このように着信機能を活用することで、顧客対応の質と業務効率の両方を高められます。
発信に対する機能
企業の業務効率化を支える発信機能は、主に以下の2つです。
・オートコール機能
あらかじめ用意した顧客リストに対して、自動音声で電話をかける機能です。案内内容を統一して複数の相手に届けたいときに便利で、人手を使わず短時間で多くの顧客に対応できます。
具体的には催促や督促、更新情報を知らせたり、案内したりする際に利用します。
・アンケート機能
自動音声で質問を流し、顧客が電話のボタン操作で回答できる機能です。オペレーターを使わずに調査が完了するため、コストを抑えながら効率よくデータを集められるのが魅力です。
このような機能によって、発信業務の自動化や情報収集のスピードアップが可能となり、業務の負担軽減に役立ちます。
IVRを導入するメリット・効果(企業視点)
IVRを導入すると、企業にはさまざまな効果があります。企業側から見た主な導入メリットとしては、次のようなものが挙げられます。
・業務効率化・リソース削減
・応答率の向上と一次解決
・人件費・教育コストの削減
・部署間での連携を効率化
・営業時間外でも自動対応が可能
以下、それぞれ詳しく解説します。
業務効率化・リソース削減
IVRを導入すると、問い合わせ内容ごとに適切な担当へ振り分けられるため、オペレーターは自分の専門分野に集中できます。また、事前に顧客の要件を把握できるので、対応時間が短くなり、作業効率も向上します。さらに、誤って別の部署につながるケースや迷惑電話が減ることで、オペレーターの精神的な負担も軽くなります。
加えて、定型的な問い合わせはIVRが自動で対応できるため、少人数でも多くの問い合わせに対応できるようになり、人手不足の解消にも有効です。よくある質問への対応をIVRに任せれば、業務全体の流れがスムーズになり、限られた人員や時間を有効に使える体制が整います。
IVRは、業務の効率化とリソース削減を同時に実現できる有力な選択肢です。
応答率の向上と一次解決
IVRを導入すると、簡単な問い合わせには自動音声で対応し、専門的な内容だけをオペレーターにつなげられます。これにより、電話回線の混雑が緩和され、応答率の向上が期待できます。さらに、「あふれ呼」や接続障害のリスクも抑えられるため、限られた人数でも効率よく対応できるようになります。
また、顧客が最初から適切な窓口につながることで、一次解決率が高まります。例えば、「たらい回し」や何度もかけ直すといったストレスが減るため、顧客の負担も軽減可能です。一次解決率が上がることは、顧客満足度の向上にも直結します。
人件費・教育コストの削減
IVRを導入することで、コスト削減が実現できます。これまでの運用では、幅広い知識を持つ人材を育成する必要がありました。しかし、IVRの振り分け機能を使えば、オペレーターは特定の分野に集中できるため、教育の範囲が限定され、研修コストを抑えることが可能です。
さらに、問い合わせ内容の一部を自動で処理できるため、少人数でも対応できる体制を整えやすくなり、人件費の削減にもつながります。これは、特に人的リソースの確保が難しい中小企業にとって、大きなメリットです。
また、IVRを活用することで、時間帯に応じて柔軟に運用でき、必要以上の人員配置を避けながら、安定した顧客対応を維持できます。例えば、問い合わせが少ない時間帯にはIVRを中心に運用することで、コストを抑えつつ効率的な対応が可能です。
部署間での連携を効率化
IVRを導入することで、電話対応の最初のステップが自動化され、部署同士の連携が大幅にスムーズになります。顧客は自分の目的に合わせて番号を選ぶだけで、営業やサポートなど、必要な部署へ直接つながります。そのため、オペレーターが手作業で電話を振り分ける必要がなくなるでしょう。これにより、無駄な取り次ぎや折り返しの対応が減り、業務が滞るのを防げます。
また、問い合わせ内容と担当部署をあらかじめ整理して着信フローに反映することで、人員配置を最適化でき、人件費の削減にもつながります。
このように、IVRは単なる自動応答システムではなく、社内の情報をスムーズにつなぐ連携強化のための基盤です。
営業時間外でも自動対応が可能
IVRを導入すると、深夜や早朝、休日などオペレーターがいない時間帯でも顧客対応が可能です。例えば、よくある問い合わせには音声ガイダンスですぐに応答でき、資料請求の案内や緊急連絡先への転送なども自動で行えます。そのため、受付時間に関係なく問い合わせを処理でき、対応漏れを防げるでしょう。これにより機会損失を避けられるだけでなく、顧客満足度の向上も期待できます。
また、人手が少ない時間帯でも一定の対応品質を保てるため、企業の信頼性アップにもつながります。さらに、対応業務が効率化されることで、コールセンターの運営負担が軽くなり、働き方改革にも効果的です。
このように、IVRは限られた人員や時間でも最大限の対応力を発揮できる、現代の業務環境に最適なシステムです。
IVRを導入するメリット・効果(顧客視点)
IVRは、企業だけでなく顧客にとってもさまざまな効果があります。顧客側から見た主なメリットとしては、次のようなものが挙げられます。
・待ち時間の削減
・不安の解消
・精神的な負担の軽減
以下、それぞれ詳しく解説します。
待ち時間の削減
IVRを導入すると、顧客は問い合わせ内容に応じて、最適な窓口へすばやく案内されます。これにより、不要な転送や長時間の保留を回避した、ストレスの少ないスムーズな対応が期待できます。特に、オペレーターによる対応が必要ない場合は、IVRが自動的に応答して問題を解決するため、顧客は待たされることなく、すぐに目的の達成が可能です。
また、折り返し電話の受付や時間を指定できる予約機能を利用すれば、顧客は電話をつないだまま待つ必要がなくなります。その結果、時間的な拘束や心理的な負担も減り、忙しい日常の中でも自分の都合に合わせて柔軟に対応を受けられます。
このように、IVRは顧客の要望に的確かつ迅速に応えることで、対応の質を高めるだけでなく、顧客満足度の向上にも大きく貢献します。
不安の解消
IVRの導入は、顧客が「電話がつながらないのではないか」といった不安を減らすための有効な方法です。特に、問い合わせが多く寄せられる企業では、すべての電話にすぐ対応することが難しく、その結果、つながらない状況が顧客の不信感につながることがあります。
その点、IVRを活用することで、折り返し電話の予約や自動音声による案内ができるようになります。これにより、「いつ電話がつながるのか分からない」という不安の解消が図れます。緊急性の高い問い合わせにも適切に対応できるため、顧客の安心感が高まり、企業への信頼にも結びつきます。
このように、IVRは顧客対応の質を保ちながら、顧客の心理的な負担を軽くする点でも有効です。
精神的な負担の軽減
電話で面識のない相手と話すことに抵抗を感じる顧客は、一定数います。IVRを導入すれば、こうした心理的な負担を減らすことが可能です。
例えば、簡単な問い合わせであれば、オペレーターと直接話さずに手続きを終えられます。また、会話が必要な場合でも、やり取りを最小限に抑えられます。このように、電話が苦手なことによる機会損失を防ぎ、顧客が安心して企業と連絡を取れる環境を整えられるでしょう。
IVRは、顧客の精神的な負担を軽くし、企業とのコミュニケーションをより柔軟で効率的にする有効な方法です。
IVRの導入事例
IVRは、さまざまな業界で導入が進んでおり、発信・着信それぞれに応じた活用がされています。ここでは、それぞれの実際の導入事例を通じて、IVRの具体的な活用方法とその効果を紹介します。
・発信IVRの活用事例
・着信IVRの活用事例
発信IVRの活用事例
JCOM株式会社は、ケーブルテレビやインターネットなどの生活インフラを幅広く提供している企業です。しかし、かねてから営業業務の効率化に課題を抱えていました。特に、支払い情報の登録漏れや初回引き落としができなかった顧客への対応など、契約を取る以外の業務に多くの時間がかかっていたとのことです。そのため、営業担当者のリソースが分散し、生産性の低下につながっていました。
この課題を解決するために、同社は「ソクコム」のIVRを導入します。これにより、複雑で手間のかかる後追い業務が自動化され、営業担当者は本来の「攻め」の業務に集中できるようになりました。また、留守番電話への自動音声メッセージの送信や、Webからの問い合わせに対する即時転送機能なども活用したことで、顧客への接触率が向上し、機会損失も減らせました。
導入の決め手となったのは、「ソクコム」の柔軟なカスタマイズ対応と信頼できるサポート体制です。導入して終わりではなく、その後の伴走サポートも評価されています。
着信IVRの活用事例
灯油の巡回販売やウォーターサーバー事業を手がけるシューワ株式会社では、冬の人手確保や電話対応の品質維持に課題がありました。特に、繁忙期には採用やスタッフ育成にかかるコストが増えたり、電話応対の質にばらつきが出たりして、業務効率が下がっていました。
そこで同社は、「ソクコム」のIVRを導入します。このシステムにより、注文受付や配送スケジュールの確認など、これまで十数名で対応していた業務を、数名で運営できるようになりました。その結果、受電率が上がり、人件費も削減できました。
また、音声認識による文字起こしやメール送信機能を活用することで、情報伝達の正確さも向上しています。さらに、FAQの改善や自動案内機能の導入、24時間対応の実現などにより、顧客満足度も高まりました。導入当初は不安もあったものの、システムの安定性や柔軟なカスタマイズ対応のおかげで、スタッフの負担が減り、サービスの質も着実に向上しています。
IVRは、限られた人員でも高品質な顧客対応を実現できる、実用的なDX(デジタルトランスフォーメーション)ツールとして注目されています。
IVRの導入ならソクコム
IVRは、自動音声を使って電話対応を効率化し、企業の業務効率と顧客満足度の両方を高められるシステムです。
企業がIVRを導入すると、人件費や教育コストの削減、応答率の向上、リソースの有効活用など、さまざまな効果が期待できます。さらに、顧客にとっても利便性が向上するなどのメリットがあります。
「ソクコム」のIVRは柔軟なカスタマイズが可能で、サポート体制も充実しているのが特徴です。業務の自動化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を目指す企業担当者の方は、「ソクコム」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
監修: 阿野正貴
Foonz株式会社 執行役員(兼 CP事業本部 副本部長)
急成長ベンチャー企業のコールセンターにて、テレアポスタッフとして入社後、
1年以内にトップ成績を上げて、BPO事業のアウトバウンド・インバウンドのコールセンター拠点立ち上げの責任者に抜擢される。
最大100席以上の大規模拠点を、ゼロから複数の立ち上げ実績あり。
2021年Foonz株式会社に入社後、CTIツールの営業拡販、CPaaS、CTI製品開発の監修等に携わり、現職に至る。
CTI製品に精通した、BtoC,BtoBテレアポ、コールセンター拠点立ち上げの専門家。
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