営業時間外に電話してくる客への対応策 |顧客満足度を維持する方法を解説-ソクコム

2024.07.15

営業時間外に電話してくる客への対応策 |顧客満足度を維持する方法を解説

営業時間外に顧客から電話がかかってくるのは、製品やサービスのトラブル、システム障害などに関する緊急の連絡や、海外から時差の関係でかかる問い合わせなど、さまざまなシーンが想定されます。特に、顧客のトラブルや緊急時における営業時間外の電話は、適切に対応しないと会社の信用にかかわります。

「営業時間外の電話にどう対応するか」は、多くの企業が抱える悩みでしょう。

本記事では、営業時間外の電話対応による悪影響を解説するとともに、企業が取るべき対策を紹介します。社員の負担を減らしつつ、顧客満足度を下げない方法について解説していきます。

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営業時間外に電話してくる顧客に対応する悪影響

顧客からの着信の様子

営業時間外の電話対応は、社員の集中力を低下させ、ミスにつながる可能性を高めます。また、従業員のワークライフバランスの崩壊、過重労働による業務の停滞などの問題を引き起こしかねません。

 

特に夜中や休日の電話対応は、以下のようにさまざまな悪影響を及ぼすため、会社としての対策が必要です。

労働時間が増える

営業時間終了後の電話対応は、労働時間の増加につながるでしょう。また、営業時間外に別の業務に集中している最中に電話がかかると、本来するべき業務の中断を強いられ、作業効率の低下を引き起こします。電話対応のために残業が発生したり生産性が落ちたりすることで、社員の負担は増大し、企業にとっても人件費の増加や業務の遅延などのデメリットが生じかねません。

仕事とプライベートとの境界がなくなる

営業時間外の電話対応が常態化すると、社員の仕事とプライベートの境界線が失われ、ストレスが高まります。休日もいつ電話がかかってくるかわからない状態では、社員は安心して休息を取れません。自由な私生活が確保できなければ、社員は常に仕事モードとなり、メンタルヘルスを損なう恐れがあります。

 

特にテレワークを導入している企業では、社員の仕事とプライベートの境界があいまいになりがちです。営業時間外の電話対応は、社員のプライベート時間を奪います。

業務効率が低下する

営業時間外の電話対応によって集中が低下し、業務ミスが起こることも少なくありません。本来するべき業務の遅れや残業時間の増加など、業務効率が低下する恐れがあります。また、担当者不在により電話対応に時間がかかるケースもあるでしょう。

 

本来の業務に集中すべき時間帯に、営業時間外の電話対応の割り込みで、作業の流れが断続的に中断されます。集中力が低下し、生産性が落ちることで、業務効率の悪化を招きます。

 

電話対応後、再び作業に取り掛かる際には、切り替えの時間も必要となります。頻繁に発生する業務の中断は、社員のパフォーマンス低下につながり、ひいては企業全体の生産性の低下を招く危険があります。

心身の疲労やストレスがたまる

営業時間外の電話対応が常態化すると、社員は心身ともに十分な休息を取ることが難しくなります。常に業務に従事している状態に近く、慢性的な疲労が蓄積していくでしょう。

適切な休息時間が確保できないことによる睡眠不足や、休日でもリラックスできないことへのストレスは、身体的な健康問題を引き起こす可能性を高めます。また、いつ仕事の電話がかかってくるかわからないという心理的圧迫から、精神的な負担につながります。

仕事に対するモチベーションの低下や、メンタルヘルスの悪化は、職場の人間関係にも影響を及ぼしかねません。企業は社員の心身の健康を守るためにも、営業時間外の電話対応について適切なルール設定と運用が求められています。

営業時間外に電話してくる客への対応策

電話の対応を思案する女性

営業時間外に電話をしてくる顧客に対処するには、マニュアル作成や社内体制の整備など、多角的なアプローチが必要です。以下で詳しく解説します。

営業時間外の電話対応マニュアルを作成する

企業側や管理職は、営業時間外の電話対応におけるルールやフローをマニュアル化します。具体的には。「緊急度の高い相手のみに対応する」など、電話応対の基準を明確にします。その時によくある質問と回答例、応対ルール、フォロー方法などを記載しておくと、社員は判断に迷いません。明確な基準ができれば、仕事とプライベートの区別もつけやすくなるでしょう。

 

営業時間外の電話対応マニュアルを作成する際は、企業側や管理職が業務工程を見直し、営業時間外の対応が本当に必要かを精査することが大事です。その上で、どんな相手からの電話なら応対するのかを事前に決めておきましょう。また、応対の基本ルールやフローを定め、社員間で共有することで、一貫した対応が可能になります。

 

よくある質問と回答例をまとめておくことも、スムーズな対応につながるでしょう。営業時間内の担当者へのフォロー方法として、伝言メモやメールなどを活用することも工夫のひとつです。

 

マニュアルの整備は、社員の負担を減らしつつ、営業時間外に電話をしてくるお客様への適切な対応が可能につながるでしょう。

社内体制を整備する

営業時間外の電話に対応するためには、社内の体制整備が不可欠です。例えば、サーバー運営会社は顧客のサーバートラブルへの時間外対応が必須です。ほかに、システムの基幹部分を担うIT企業も同様でしょう。

 

営業時間外の電話対応への体制整備には、「対応マニュアルの作成」「社内連絡網の構築」「顧客からのフィードバックの収集・分析」を行いましょう。また、営業時間外の電話に対応するための余剰人員の配置も必要です。

営業時間外対応の有無を顧客に明示する

営業時間外の電話対応を控えるためには、あらかじめ顧客に対応不可であることを伝え、その上で顧客の声を製品/サービス改善に生かす必要があります。

 

BtoBの企業は顧客との契約時に、BtoCの企業は公式サイトで営業時間外の電話対応の有無について伝えましょう。なお、FAQやチャットボットは、営業時間外に顧客が問題を自己解決するのに有効です。電話対応を不可とする場合は、導入を検討するとよいでしょう。

 

営業時間外の電話対応を控えるためには、顧客に対し事前に対応可能な時間帯を明示し、理解を得ることが重要です。BtoB企業の場合は、契約時に営業時間や電話対応可能な時間帯について明記しましょう。一方、BtoC企業では、公式サイトやお問い合わせページにおいて、営業時間と電話対応の有無を明確に記載します。

 

ただし、営業時間外であっても顧客の声に耳を傾けることは大切です。FAQページやチャットボットを導入することで、顧客が自身で問題を解決できる環境を整備しましょう。これにより、営業時間外の問い合わせ件数を減らせます。

電話対応は代行サービスを利用する

営業時間外の電話対応を自社で行うのは負担が大きいため、代行サービスの活用も検討しましょう。電話対応の代行サービスを利用すれば、社員の労働時間を増やさずに営業時間外の対応が可能になります。

 

ただし、外部委託にはコストがかかるため、電話対応の回数や内容を考慮して利用の是非を判断しなければなりません。従業員の負担軽減と顧客満足度の向上を図りつつ、コストと効果のバランスを検討しましょう。

留守番電話やIVR(音声自動応答システム)を活用する

営業時間外の電話対応には、留守番電話やIVR(音声自動応答システム)の導入が効果的です。これらの活用で、社員の負担を軽減しつつ、営業時間外の電話の取りこぼしを防げます。IVRについては、次項で詳しく解説します。

営業時間外に電話に対応できるIVRとは?

IVR(音声自動応答システム)は、顧客からの営業時間外の電話対応を可能にするツールです。IVRを導入することで、年中無休24時間の電話受付が実現でき、営業時間外の電話に対応できます。

 

IVRは、あらかじめ設定したシナリオに基づき、自動応答で顧客の問い合わせに回答します。顧客の問題やニーズに合ったシナリオを設計すれば、適切な窓口に素早く案内できます。

 

そのため、つながる前に電話を切る放棄呼(ほうきこ)や、コールセンターの最大処理数を超えて待ち時間の長くなるあふれ呼(あふれこ)対策にもなります。顧客の問題解決がスムーズになるだけでなく、IVRは業務効率化によるコスト削減にも有効です。

IVRの導入メリット

以下では、IVR導入のメリットを3つ紹介します。

人手不足解消とコスト削減につながる

IVRが簡易的な質問に対応できるため、スタッフが時間外の電話に対応する必要がなくなります。また、営業時間外の電話に限らず、営業時間内の応対も効率化できるというメリットもあります。

 

もし、複雑な問い合わせに備えて人を配置しても、常に対応を必要とするとは限りません。どうしても必要な問い合わせには、音声ガイダンスの振り分け機能に従い、オペレーターにつないで対応します。簡単な質問はIVRで解決してもらうことで、人手不足解消やコスト削減につながります。

入電内容の適切な振り分けで生産性向上

自動音声案内は、よくある質問の回答に対応できるため、顧客満足度の向上につながります。相談内容に応じて     SMSを用いたWebサイトへの誘導も可能です。

 

IVRは、入電内容に応じて適切に振り分けられるため、オペレーターの業務過多を抑制する効果も期待できます。また、事前に問い合わせ内容が分かるため、オペレーターは自分のスキルや専門分野を活かしやすくなり、生産性の向上が期待できます。

顧客満足度が向上する

IVRの導入により、顧客はいつでも知りたいことや課題を解決できるため、顧客満足度が向上します。 例えば、大規模コールセンターにありがちな部署間のたらい回しを防げます。また、適切な窓口に誘導できるため、顧客の問題を素早く解決できる点もメリットです。

 

論文プラットフォーム「J-STAGE」の「健診施設における予約業務の改善」によれば、IVRの導入で応答率が向上した結果、顧客の不満が減少したとのことです。ほかに、 72.6%に達しています。この結果からは、IVRが業務効率化だけでなく、顧客満足度につながっていることが伺えます。

 

そのほかのIVR活用例

IVRは、時間外に電話してくる顧客への対応以外にも、多くの活用方法があります。以下で詳しく解説していきます。

予約受付や再配達の無人受付

IVRを活用することで、宅配便の再配達やチケットの予約受付を無人化できます。顧客は時間に関係なく電話で予約や手続きができるようになることで、利便性が向上します。一方の企業側は、これまで電話受付をしていた人的リソースを別の業務に振り分けられるメリットがあります。具体例は以下のとおりです。

宅配便の荷物追跡と配達日時変更

・顧客は荷物番号を入力し、荷物の現在地を把握できる

・配達日時も営業時間に関係なく変更できる

・営業時間内に電話ができない顧客でも、対応ができる

病院の予約受付

・24時間いつでも、電話で予約ができる

・電話番号の入力だけで手続きが完了する

・予約のリマインドができる

飲食店の予約など

・音声ガイダンスにより営業時間や定休日について確認ができる

・予約サイトへの誘導やクーポン情報の受け取りができる

・ピーク時間を気にせずに予約の電話ができる

 

今まで人が対応していた電話業務をIVRが担うことで、顧客の利便性を高めつつ、人的リソースの最適化が図れます。

大量の顧客へのオートコール(一斉アナウンスやセールス)

IVRのオートコール機能を活用すれば、大量の顧客へ向けて一斉にアナウンスやセールスを行えます。人員を確保する必要がなく、短時間で効率的に多くの顧客にアプローチできるため、キャンペーンや新商品の販売促進に有効です。

 

オートコール機能では、顧客リストを使って一斉に案内やSMSを送信でき、システムから電話音声を自動発信します。指定した顧客に同じ内容の電話を自動でかけられるため、時間も手間もかかりません。

督促業務の自動電話による省力化

IVRの活用は、家賃や会費など未入金者へ督促業務を自動化でき、大幅な省力化が実現します。

 

IVRでは、決められたメッセージで自動的に連絡ができ、未入金者へ確実に督促の連絡を行えます。通常、未入金者は電話がつながりにくく、回収までに時間がかかるケースも少なくありません。その点、IVRなら電話する時間を指定できるため、効率的に連絡できます。

IVR導入時の留意点

IVRを導入する際は、顧客にとって使いやすく、ストレスのないシナリオ設計が重要です。音声ガイダンスが長すぎたり選択肢が多すぎたりすれば、顧客に不快感を与えてしまいます。

 

問い合わせ内容の適切なカテゴリー分け、わかりやすく簡潔な音声ガイダンス、定期的なシナリオの見直しと修正が運用には必要不可欠です。問い合わせをする顧客の傾向を分析し、内容に合わせた対応フローを構築することで、快適な顧客体験を提供できます。

 

IVRの定期的な運用の見直しは、顧客が起こしやすい操作ミスや選択肢がわからずに「その他」項目への集中を回避するのに有効です。そのままで運用すれば、オペレーターが直接対応する業務が過剰になる可能性もあります。IVRは顧客との重要なタッチポイントであり、シナリオの最適化に取り組むことが導入成功のカギです。

まとめ

営業時間外の電話対応は、社員の労働時間増加やストレス蓄積などさまざまな問題を引き起こします。改善策として、マニュアル作成や社内体制整備、顧客への方針明示、代行サービスの活用などの対策が有効です。

 

IVRの導入は、使いやすいシナリオ設計と定期的な運用見直しが重要ですが、24時間365日の電話受付を可能にし、人手不足解消やコスト削減、顧客満足度向上のメリットをもたらします。

 

ソクコムのIVRは、営業時間外に電話をしてくる顧客に対しても自動音声で対応できます。予約発信も可能なため、わざわざ人材を確保せずに自動で顧客とコミュニケーションが取れるのもメリットです。営業時間外の電話対応に悩む企業は、ソクコムのIVRの導入をご検討ください。

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