コールセンターのIVRとは?仕組みや便利な機能、費用などを徹底解説-ソクコム

2024.08.08

コールセンターのIVRとは?仕組みや便利な機能、費用などを徹底解説

IVRとは「Interactive Voice Response」の略称で、自動音声応答システムを意味します。顧客と電話でやり取りするコールセンターでは、人手不足や業務効率の影響によりオペレーターの負担が増えやすく、IVRを導入して効率化を図る企業が多く見られます。日々の電話対応を効率化したいと考える人の中には、IVRにはどのような機能があり、得られるメリットは何なのか気になる人もいるでしょう。

そこで今回は、IVRの仕組みや便利な機能、メリット・デメリットなどを解説します。選び方まで解説しますので、記事を参考に導入を検討してください。

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コールセンターでよく聞く用語「IVR」とは?

コールセンターに関連してよく聞く用語IVRとは「Interactive Voice Response」の略称で、自動音声応答システムを意味します。音声認識やプッシュボタンによる操作ガイダンスを自動で流し、顧客の電話対応・入電内容による番号振り分け・オペレーターへの転送などを実現します。

 

IVRがコールセンターで導入されるようになったのは1990年代からで、2000年代に入るとAIの進化によりさらに広まっていきました。従来は、専用の自動音声応答装置を設置しなければIVRの導入は困難でしたが、近年ではクラウド型のIVRが一般化しています。

IVRの仕組み

IVRは、システムが入電に対して作動する仕組みです。コールセンターに顧客から入電があると、設定済の自動音声が流れます。例えば「新規のお問い合わせは1を、サポートに関するお問い合わせは2を、その他は3を押してください」といった案内です。

 

顧客が自動音声の案内に従い番号を選ぶことで、適切な窓口へ振り分けられます。担当のオペレーターにつなぐ以外にも、プッシュ操作と自動音声のみで問題を解決できる場合もあります。

IVRの機能

コールセンターのIVRには、具体的に以下のような機能があります。

 

・音声ガイダンス

・音声の合成

・電話の振り分けや転送

・SMS送信

・担当者へ通知

・通話録音

 

音声ガイダンスと電話の振り分け・転送は、オペレーターの負担を軽減するコールセンターでメインとなる機能です。音声の合成はテキストデータから音声ガイダンスを生成し、声の種類やスピードも調整できます。言語や声の高さなど、顧客層に合わせて聞き取りやすいガイダンスを準備できます。

 

SMS送信は入電元の電話番号に、予約日時や商品案内などのショートメッセージを送れる機能です。詳細が記されたWebページのURLをSMSで送付すれば、手軽に誘導も可能です。

 

また、定休日や営業時間外の着信を担当者が把握できるよう、受電後に顧客の問い合わせ内容や留守番電話の内容を通知することも可能です。通話録音機能は、用件の確認や音声案内のサービス向上に役立ちます。

IVRシステムのタイプ

コールセンターにおけるIVRシステムは、以下4つのタイプに分類されます。

 

・特化型

・ビジュアルIVR対応型

・包括的な機能対応型

・ボイスボット対応型

 

特化型は、IVRの基本機能である自動音声案内や自動振り分けサービスをさらにカスタマイズして利用できるシステムです。日本語以外の言語対応や音声合成エンジンを使用したAIによる読み上げ機能など、オリジナルのガイダンスを作成できます。

 

ビジュアルIVR対応型はWebサイトやアプリから視覚的に案内するシステムで、顧客からの入電後にSMSでURLを送信し、チャットボットやFAQに誘導して問題解決を促します。音声案内では振り分けが難しい場合や基本的な問い合わせにも効果的で、顧客は内容に沿った項目をクリック、もしくは入力していくことで回答を得ることが可能です。

 

包括的な機能対応型は、コールセンターでの業務全般に対応したシステムです。顧客管理や音声解析など、業務を効率化したい場合に適しています。

 

ボイスボット対応型は、人工知能(AI)を利用した自動音声システムです。AIが顧客の発話内容を解析し、音声合成機能を用いて自動で対応します。一次受付を自動化できるため、オペレーターの負担軽減や業務効率化に効果的です。

コールセンターでIVRを導入するメリット

コールセンターへのIVR導入は、さまざまなメリットをもたらします。IVRを導入するメリットを3つ紹介します。

オペレーターの負担が軽減する

IVRを導入すると振り分けが自動化されるため、オペレーター間の取り次ぎや伝言の手間を軽減できます。コールセンターでは、繁忙期や新商品の販売直後などの理由で問い合わせが殺到した場合、予測した入電数を超えるケースもあります。この際、入電を自動的に振り分けられれば、オペレーターの負担を軽減できるでしょう。

 

また、オペレーターの業務には電話対応のほか、顧客データやお問い合わせ内容の入力、データ検索などもあり、事後処理にも時間を要します。一般的に、コールセンターの事後処理や待機時間も含んだ理想的な稼働率は毎月80~85%です。しかし、新人でスキルが伴っていない場合や顧客の相談内容によっては、1件のお問い合わせにかかる時間が長くなるでしょう。

 

そこで、IVRで音声ガイダンスや振り分けの自動化を図ることで、お問い合わせ時間を短縮でき、理想的な稼働率が期待できます。

 

オペレーターの負担は、離職率にも大きく関わります。オペレーターが辞めてしまう原因や離職率を下げる対策を知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。

また、コールセンターの理想的な稼働率については以下の記事で解説しています。

人件費を削減できる

IVR導入でガイダンスを自動化すると、オペレーターの人数を減らせるため、人件費の削減が可能です。節約できた資金を新人育成や新しいシステムの導入などに充てられ、生産性の向上や品質の均一化を図れます。

 

また、人手不足に悩んでいる企業にも、IVRの導入は効果的です。オペレーターを採用するためには、求人媒体への広告料や採用後の研修費なども必要になり、期間も要します。IVRはオペレーター数を減らせるため、低コストで人手不足の問題を解消できるでしょう。

 

コールセンターのコストを削減する方法を詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。

情報漏えいのリスクを軽減できる

IVRは、オペレーター対応と比較してセキュリティ面が高いメリットがあります。コールセンターでは、オペレーターに直接、住所・電話番号・生年月日・クレジットカード情報などを伝えなければならないケースもあります。

 

必要事項とはいえ他人に個人情報を伝えることに抵抗感のある人は多いため、自動化することで安心感にもつながるでしょう。口頭による復唱でほかの従業員に伝わる危険性もないため、情報漏えいのリスクを避けられます。

 

また、IVR導入はオペレーターの入力ミスや聞き間違えも防げるため、エラーやトラブルを未然に防ぐことが可能です。安心かつスムーズな問題解決ができると、顧客の満足度向上にもつながりやすくなります。

コールセンターのIVRで起こりうるデメリット

便利でコスト面などでもメリットがあるIVRにも、起こりうるデメリットがあります。そのため、導入時には顧客が感じる利便性とストレスを考慮しながら、システムの構築と運用をすることが大切です。デメリットを3つ解説します。

直接対応の遅さにクレームが出る可能性がある

「初めからオペレーターに対応してほしい」「急ぎで解決したい」などの要望をもつ顧客の場合、直接対応の遅さによりクレームにつながる可能性があります。操作方法の説明や音声ガイダンスによる選択肢読み上げの時間が煩わしく感じる場合もあるでしょう。また、顧客側の操作ミスやガイダンスの聞き漏れがあると、初めからやり直しになってしまい、余計に時間がかかりストレスを感じやすくなってしまいます。

 

このような場合、オペレーターとつながったあとにクレームが出る可能性があります。IVRを導入するときには「簡潔な案内の文言」「適切な自動音声のスピード」などに注意して、顧客のストレスを減らす工夫が重要です。

音声内容が分かりづらいことがある

音声ガイダンスの内容が分かりづらかったり選択肢が多過ぎたりすると、顧客は適切な選択ができず混乱する可能性があります。どの番号を押してよいか分からず、結果的に「その他」の問い合わせが増える場合もあるでしょう。顧客がストレスを感じやすくなるうえ「その他」を担当するオペレーターの負担増加につながります。

 

IVRの利便性を損なわないためには、適切なガイダンスの設計が必要です。質問内容は発電側目線で想定し、正確かつ網羅性のある内容で選択肢の集中を防ぐ工夫が大切でしょう。

状況により特定の窓口に入電が集まる可能性がある

故障・リコール・新商品発表後などの企業に大規模な事案が起きた際には、特定の窓口に入電が集中する可能性があるため、コールセンターでの円滑な対応が重要です。故障やリコールのような不具合の場合、顧客の信頼を回復できるかは対応の迅速さと適切さにかかっています。また、新商品発表後の場合は、電話がつながらなければ顧客の購買意欲が削がれるかもしれません。

 

入電が増加すると、顧客の待ち時間や折り返しの架電が増えやすくなります。スムーズな対応を受けられないと顧客はストレスを感じるうえ、企業へ不信感を抱く可能性もあるでしょう。人員配置を変えたり、担当者を増やしたりするなど、臨機応変に対策を取ることが大切です。

コールセンター向けIVRの選び方3ステップ

IVRのシステムを提供している会社は多く、どのサービスを利用すればよいのか分からない人もいるでしょう。IVRをうまく活用するためには、自社に合ったサービスを選ぶことが大切です。コールセンター向けIVRの選び方を、3ステップで分かりやすく解説します。

1.種類を選ぶ

まずは、自社に適した種類を選びます。コールセンター向けのIVRは、大きく分けて「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類です。

 

オンプレミス型は、自社内で回線やサーバー、ソフトウェアなどを準備してシステムを構築するタイプです。自社で運用・管理が完結するカスタマイズのしやすさが魅力ですが、導入時に一定のコストがかかるデメリットがあります。回線工事費などを含めた初期費用の相場は、数百万から数千万円といわれています。

 

一方、クラウド型はサービスを提供している企業のサーバーを借りてシステムを利用するタイプで、クラウド上のIVRを使用します。そのため、インターネット環境があればどこにいても利用が可能です。オンプレミス型と比較すると自由度は低くなりますが、すでに構築されたIVRを利用するため、初期費用を抑えられるメリットがあります。初期費用の相場は3~5万円で、回線料金やオプションに月額料金がかかります。

 

現在はクラウド型のIVRが主流ですが、選ぶ際には予算やカスタマイズの自由度など、どちらが自社に適しているのか検討してから導入しましょう。

2.自社に必要な機能があるか確認する

IVRはサービスの提供会社によって備わっている機能も異なるため、導入する際は自社に必要な内容があるか確認することが大切です。例えば、コールセンターのIVRには以下のような機能があります。

 

・入電データの解析

・アンケート作成

・音声録音

・セキュリティ対策の認証機能

・折り返し電話予約機能

 

自社の状況に合わせて柔軟にカスタマイズしたい場合、機能が充実しているサービスを利用するのがおすすめです。導入後も必要な機能があれば、追加してその都度最適なシステムを構築しましょう。

3.サポート体制を確認する

運用開始後も快適にIVRを使用するためには、サポート体制の確認が重要です。例えば、運用をサポートしてくれるサービスや、IVRが故障した際の修理や費用の補助がセットになっている保守プランなどがあります。

 

運用サポートは、IVRを導入したいが効果的な活用方法やシステム構築が分からない場合におすすめです。自社の環境や課題に合わせた運用フローなど、気軽にIVRのサービス元に相談できます。サービスを選ぶ際には、サポート内容のほか、問い合わせをした際の対応のていねいさや返答までのスピードも重要なポイントです。

 

また、オンプレミスのIVRは故障した際、多額の修理費用が必要になる場合もあるため、万が一のことを考えて修理費用の補助が出るプランに入っていると安心して利用できます。定期点検のサービスがあれば、大きな故障の前に気付いて修理できるケースもあるでしょう。

コールセンターにIVRを導入するときの注意点

コールセンターにIVRを導入したら定期的に更新しましょう。

IVRを導入する際は、顧客満足度と生産性向上のために注意するべき点があります。導入する際は、これから紹介する注意点を参考にしてください。

定期的に内容を確認しておく

IVRは導入して完了ではなく、運用状況を分析して定期的に内容を見直す必要があります。例えば、以下のような状況になった際は、調整が必要です。

 

・自社の製品やサービス内容が変更になったとき

・顧客がスムーズに使えていないとき

・オペレーターの配置がうまくいっていないとき

 

自社の製品やサービスの内容に変更があった際は、併せて音声ガイダンスに相違がないか確認しましょう。IVRが誤った案内をsいていると、顧客の混乱を招きます。

 

また、顧客がIVRをスムーズに使えないと、ストレスを感じる可能性があります。原因には、ガイダンスが長過ぎたり振り分けの設定が複雑だったりする場合があるためです。顧客の反応を確かめながら適宜メンテナンスを行うことが大切になります。

 

オペレーターの配置がうまくいっていないときには、業務の負担が増えるうえ、顧客には待ち時間が発生します。IVRの機能を活用し、利用履歴から受電の時間帯・通話時間・発信元の地域などを分析できると、集中する時間帯や窓口を中心にオペレーターの配置変更もしやすくなるでしょう。

 

IVRの設定の見直しを定期的に行うことで、コールセンターではより効率的に運用できるようになり、顧客の満足度向上にもつながりやすくなります。

ガイダンスメニューをわかりやすく設定しておく

ガイダンスメニューは顧客が分かりやすいシンプルな設定を心がけることが大切です。選択肢の多いガイダンスは、聞き終わるまでに時間がかかり、顧客が混乱したり面倒に感じたりする原因になります。

 

分かりやすいガイダンスメニューにするためには、いきなり目的の質問をするのではなく「1階層→2階層→目的」といったステップを作るのがおすすめです。人間がメモを取らずに記憶できる数がおよそ4つといわれているため、選択肢の目安は全体で2~3階層程度、1階層あたり3~4つにすると顧客がスムーズに自動音声に従えるでしょう。

 

音声の長さを最小限にしておく

音声ガイダンスの長さは、顧客がストレスを感じないよう最小限に設定しましょう。コールセンターに電話をかけてくる顧客は、商品やサービスに不満や疑問があり、問題を早く解決したいと考えている人もいます。そのような人たちは、電話をかけてくる時点で少なからずストレスを抱えている状態であり、長い音声を聞かせることでクレームに発展する恐れもあります。

 

そのため、音声ガイダンスを聞いているだけの時間はなるべく短くして、端的に顧客が求める選択をできるかがIVRを設定するうえで重要なポイントです。冗長な表現やキャンペーンの案内、丁寧過ぎる挨拶も省いたほうがよいでしょう。

最後にオペレーターにつなげる選択肢を設定しておく

音声ガイダンスの最後には、オペレーターにつなげる選択肢を必ず設定します。簡潔で分かりやすいガイダンスメニューであっても、顧客が「どの選択肢に当てはまるか分からない」「オペレーターに直接確認したい」などと思う場合もあるでしょう。入電内容の確認・オペレーターの負担軽減など、当初のIVR導入の目的からは外れてしまいますが、顧客が安心して問題解決できることを最優先に考えることが大切です。

コールセンターのIVRなら「ソクコム」がおすすめ!

ソクコムは「電話」「SMS」「メール」など、企業と顧客をつなぐコミュニケーションを一元化した、オムニ型コミュニケーションプラットフォームです。

 

クラウド型IP電話を利用して通話するため、電話機や交換機の設置工事は必要ありません。お問い合わせ内容に沿った振り分けや自動音声で対応するオートコール機能など、IVRで使える便利な機能がそろっています。さらに、着信時には顧客データを瞬時にポップアップ表示するため、受電前にデータの確認が可能です。

 

初期費用は無料で、月額料金は以下のとおりです。

ユーザー料金 1,628円(税込み)/ユーザー
チャネル料金 2,200円(税込み)/チャネル
電話番号料金 550円(税込み)/番号
フリーダイヤル料金 1,760円(税込み)/番号

別途、通話料金やSMS送信料金、オプション料が発生します。

 

導入後は、オンラインミーティングで具体的な機能や使い方について説明する機会を設けています。お客様ごとのマニュアル資料の作成や運用フローの構築など、伴走支援プランも充実しています。実際にコールセンターへの導入実績もあるため、安心してご利用ください。

まとめ|コールセンターへのIVR導入で生産性の向上を図ろう

自動音声応答システムを意味するIVRは、効率的なコールセンター運用に重要なシステムです。入電があると音声案内が開始され、顧客がガイダンスに従いプッシュ番号を押すことで、転送したり自動的に解決方法を伝えたりできます。

 

IVRの導入は取り次ぎや伝言などの手間がなくなるため、オペレーターの負担は軽減され、さらに企業側は人件費の削減が可能です。顧客も円滑に問題解決できるため、満足度につながりやすくなります。ただし、設定などによってはうまく活用できない状況になる可能性もあるため、導入時には機能やサポートの充実したIVRを検討するのがおすすめです。

 

コールセンターの生産性向上を図りたい人は、ぜひソクコムをご活用ください。

ソクコムの導入事例は、以下の記事からご覧ください。

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