2023.09.01
クラウドPBXで使う電話番号の取得方法とは?利用できる番号や引き継ぎ方法について
近年、業務の効率化を目指してクラウドPBXを採用する企業が増えています。ビジネスフォンと比べてコストや導入の手間が抑えられるほか、場所を選ばずに使える便利なシステムです。
クラウドPBXの導入を検討している方の中には、電話番号はどうやって取得するのか、どのような番号を取得できるのかが気になっている方も多いでしょう。
この記事では、クラウドPBXで使う電話番号の取得方法を解説します。また、利用できる番号や引き継ぎ方法についてもご紹介するので、クラウドPBXを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
コミュニケーション業務の
生産性向上を実現
まずは、お気軽にお問合せください
クラウドPBXの概要
クラウドPBXとはPBX(構内交換機)をクラウド上に置き、インターネットを介して電話業務を可能にする仕組みです。従来は、機器類の購入や設置工事などが必要でした。一方でクラウドPBXは物理的な装置が必要ないため、コストや手間の削減が可能です。
クラウドPBXを活用すると、場所を選ばずに電話をつなげられるようになり、複数の拠点がある場合でも回線の共有が容易になります。また、会社へのお問い合わせが入った際に、個人のスマートフォンで対応できるほか、会社の電話番号で発信できる点も特徴です。近年浸透しているリモートワークにおいても便利なサービスといえるでしょう。
加えて、SMSやチャット、クラウドFAXなどの便利な機能も備わっており、業務効率化や生産性の向上に役立ちます。
このように、クラウドPBXにはメリットが多いですが、闇雲に導入すると想定外の事象が発生し、後悔するケースがあります。以下の記事では、クラウドPBXの導入でよくある失敗例や対策について解説しています。失敗せずに導入するコツが知りたい方は、ぜひご覧ください。
クラウドPBXで利用できる電話番号とは
クラウドPBXを導入する上で気になるのが、利用できる電話番号についてです。特に既存の電話番号を継続して使いたい場合は、そのまま利用可能なのか気になるところでしょう。
クラウドPBXで取得できる電話番号は、サービスを提供する業者によって異なりますが、主に「市外局番」「050番号」「フリーダイヤル」の3つが挙げられます。
市外局番
クラウドPBXの利用環境によって、「03(東京)」や「06(大阪)」などの市外局番が使えます。
市外局番とは、エリアによって割り当てられている番号です。頭の「0」は日本を表す数字で、2番目以降に各エリアを示す数字が続きます。基本的に、北海道や青森などの北の地域は「1」が割り当てられており、南のエリアになるほど数字が大きくなる点が特徴です。
このように番号が地域を表すため、社会的信頼度が高く、顧客に対して安心感を与えられます。
従来の固定電話の場合は、電話加入権を購入して市外局番を取得する必要がありました。しかし、クラウドPBXであれば電話加入権の購入は不要です。
050番号
クラウドPBXでは、IP電話に割り当てられる「050番号」の使用が可能です。「IP」とは「インターネットプロトコル」の略称で、「IP電話」はインターネットを介して音声をデジタル化する通話サービスを指します。
エリアと電話番号に関連性はなく、場所を問わず使える点が特徴です。そのため、オフィスを移転する際も番号を変更する必要がありません。ただし、通信業者を変更した場合は電話番号も変わります。
また、電話加入権を購入する必要がない点も特徴ですが、営業電話や迷惑電話に使われる事例が多く、市外局番と比較すると信頼を得にくいでしょう。
クラウドPBXとIP電話の違いがよくわからないという方は、以下の記事をご覧ください。
フリーダイヤル
「0120」や「0800」が頭につくフリーダイヤルも、クラウドPBXで使用できる電話番号です。通信料は発信者が負担するケースが一般的ですが、フリーダイヤルは契約者が負担します。そのため、顧客がお問い合わせをする際に利用しやすく、コールセンターで導入されていることが多いです。
クラウドPBXではフリーダイヤルもインターネットを経由するため、社員が私用で使っているスマートフォンでも対応できるようになります。従来のコールセンターは、拠点を設けてオペレーターを配置する必要がありましたが、クラウドPBXの導入によりリモートワークでも顧客からのお問い合わせを受けることが可能です。
クラウドPBXで電話番号を取得する方法は2パターン
クラウドPBXを導入した際に電話番号を取得する方法は、下記の2パターンです。
- 新しい電話番号を取得する
- 既存の電話番号を引き継ぐ
すでに電話番号を所有している場合、利便性を考えると既存の番号を引き継ぐ方がよいでしょう。しかし、クラウドPBXを提供する業者によって取得の条件が異なり、状況次第では引き継げないケースもあります。既存の電話番号を継続して利用したい場合は、事前に条件を確認しておくことが大切です。
新しい電話番号を取得してクラウドPBXを利用する方法
新しい電話番号を取得する場合、光回線を使うクラウドPBXとIP電話を使うクラウドPBXで、取得可能な電話番号が異なる点に留意しましょう。
光回線でつなぐクラウドPBXでは、「市外局番」と「フリーダイヤル」を取得できます。顧客からの信頼度を上げるために市外局番を希望する場合は、光回線を選ぶとよいでしょう。ただし、市外局番は市街地によって決まっているため、任意の番号を選ぶことはできません。
一方、IP電話でつなぐクラウドPBXで取得できる電話番号は、基本的に「050番号」か「フリーダイヤル」の2択です。光回線よりもリーズナブルに利用できる点がメリットですが、市外局番と比較すると信頼性がやや劣るため、慎重に選ぶ必要があります。
なお、IP電話を使うクラウドPBXの中にも市外局番の取得が可能なタイプもあるため、サービス選びで迷った際は取得できる電話番号を比較して判断するのもよいでしょう。
【市外局番】既存の電話番号をそのまま引き継ぐ方法
クラウドPBXでは、既存の市外局番をそのまま引き継ぐことが可能です。クラウドPBXの導入を検討しているけれど電話番号を変えたくない場合、以下に挙げる2つの方法を利用すれば既存の電話番号をそのまま引き継げます。
- 「番号ポータビリティ」を利用する
- 「VoIPゲートウェイ」を利用する
いずれも同様に市外局番を引き継ぐ方法ですが、特徴が異なるため状況に合わせて選ぶことが大切です。それぞれの方法について解説します。
番号ポータビリティを利用する
番号ポータビリティは「LNP(Local Number Portability)」とも呼ばれ、既存の電話番号を変更せずに通信業者を変更できるサービスです。
一般的に市外局番はNTTが発行する番号ですが、クラウドPBXを提供するNTT以外の事業者に乗り換えても、番号ポータビリティを利用すると既存の電話番号をそのまま使えます。ただし、番号ポータビリティを利用するには、以下のような所定の条件を満たす必要があります。
- NTT東日本もしくはNTT西日本で発行された固定電話番号であること
- NTT東日本もしくはNTT西日本のひかり電話で取得した固定電話番号であること
- 移転先が既存の市外局番と同じエリアであること
- 番号ポータビリティに対応したクラウドPBXを利用すること
上記の条件のうち、ひかり電話で取得した固定電話番号を別の事業者に引き継ぐことを「転用」「事業者変更」といいます。この場合、引き継ぎの際に違約金を請求される可能性がるため、事前に確認しておくと安心です。
なお、「050番号」を利用している場合は、番号ポータビリティを利用できないため注意しましょう。
VoIPゲートウェイを設置する
VoIPとは「Voice over Internet Protocol」の略称で、インターネットなどのIPネットワーク上で音声通話を行う通信技術のことです。ゲートウェイには異なるネットワークをつなぐ役割があり、アナログの電話網とIP電話網を中継する機器をVoIPゲートウェイといいます。
VoIPゲートウェイを設置することでIPネットワークに音声データが統合されるため、既存の電話番号をそのまま利用できます。ただし、VoIPゲートウェイを活用するには、機器の購入・設置が必要です。初期費用がかかるほか、クラウドPBXと既存のアナログ回線の利用コストがかかる点に留意しましょう。
【050番号・フリーダイヤル】既存の電話番号をそのまま引き継ぐ方法
IP電話で使われる050番号は、番号ポータビリティで引き継ぐことができません。IP電話の番号をそのまま利用するには、クラウドPBXに収容する必要があります。
050番号は、そもそもNTTが発行する市外局番ではないため、物理的な装置がなくても収容可能です。ただし、050番号の引き継ぎに対応していないケースが多く、確認せずにクラウドPBXを導入すると既存の番号が使えなくなる恐れがあります。そのため、クラウドPBXを選ぶ際は、050番号に対応しているかどうかを確認するようにしましょう。
「0120」や「0800」などのフリーダイヤルも、クラウドPBXに収容することで電話番号をそのまま引き継ぐことが可能です。ベンダーによっては番号ポータビリティに対応しているケースもあります。
電話番号の取得や引き継ぎ以外に費用相場も気になるという方は、以下の記事をご覧ください。
既存番号の引き継ぎや新しい番号の取得が可能な「ソクコム」とは?
オムニチャネル型コミュニケーションツールの「ソクコム」は、通話だけでなくSMSやチャット、メールなどさまざまなコミュニケーション業務を効率化するプラットフォームです。
ソクコムでは新たな電話番号を取得できるほか、利用環境によっては既存の番号を引き継げます。また、発信番号は「0120」「0800」「050」などから選択可能です。
さらに、クラウドPBX機能を持つため、PBX(構内交換機)や電話機の設置工事も必要ありません。API連携や録音文字化、モニタリングなど便利な機能が揃っており、必要な機能のみカスタマイズできるため、ランニングコストを抑えることが可能です。
導入後はオンラインでの使い方説明や、別途オプションで導入支援サービスも実施しているため、クラウドPBXの使い方に不安を感じている方でも安心してご利用いただけます。
電話番号取得の仕組みを理解してクラウドPBXを利用しよう
クラウドPBXで利用できる電話番号には、市外局番やIP電話、フリーダイヤルなどさまざまな種類があります。既存の電話番号をそのまま引き継ぎたい場合は、今回ご紹介した方法を踏まえて、引き継ぎに対応したクラウドPBXを選ぶとよいでしょう。
「ソクコム」には、コミュニケーション業務の生産性向上をサポートするクラウドPBX機能が備わっています。あらゆるチャネルでの即時対応が可能になるため、顧客満足度アップにもつながるでしょう。クラウドPBXを導入してコスト削減や業務効率化を図りたい方は、ぜひ下記のページをご覧ください。