2023.12.27

コールセンターの応答率を上げるには?5つの施策や下がる原因を解説

応答率とは電話のかかりやすさを示す割合であり、コールセンターを効率的に運営する上で欠かせない指標です。応答率の低下は顧客満足度や対応品質が下がるだけでなく、新規顧客を逃す要因にもなります。

そこで今回は、コールセンターの応答率が下がる原因を踏まえて、向上させるための施策を5つ解説します。

コールセンターにおける応答率の基礎知識

コールセンターの応答率向上を図る前に、基礎知識を把握することが大切です。ここでは、応答率の概要や計算式、理想的な割合を解説します。

応答率とは着信件数に対する対応件数の割合

応答率とは着信件数に対する対応件数の割合

コールセンター業務における応答率とは、顧客による電話でのお問い合わせに対して、オペレーターが対応できた割合を示す数値です。

 

応答率が低いと顧客を長時間待機させる要因になるほか、かけ直す手間がかかるため顧客満足度の低下やクレームに直結します。また、新規顧客を獲得する機会の損失につながりかねません。

 

コールセンターは、顧客が抱える問題や疑問を解決するための重要な窓口です。応答率の向上を目指すことは顧客満足度を上げるだけでなく、企業の売上を伸ばす上でも非常に重要な課題といえます。

応答率の計算方法

応答率の計算方法は以下の通りです。

応答率=対応件数÷顧客からの着信件数×100

例えば、顧客からの着信が100件あったうち、80件対応できた場合の応答率は「80÷100×100=80%」となります。

 

オペレーターが適切に顧客対応を行えているかを確認するには、こまめに応答率を図ることが重要です。日計や週計でも大まかな傾向を掴めますが精度が低く、応答率が上がらない原因の特定にはつながりません。応答率を対応品質や顧客満足度の向上に活かすためにも、30分や1時間といった短いスパンで測定した方がよいでしょう。

理想的な応答率は90%

応答率は高ければ高い方がよいと思われがちですが、100%に近い割合ではオペレーターの人数が多すぎる可能性があり、人件費と顧客対応のバランスが崩れかねません。そのため、コールセンター運営にかかるコストを踏まえた理想的な応答率の目安は90%とされています。

 

朝や昼など入電数がピークになる時間帯は多少応答率が下がったとしても、1日の平均値が90%を超えれば全体的に電話がかかりやすい状態であり、顧客満足度も下がりにくいでしょう。

 

一方で応答率が50%を下回る場合は、組織体制や業務の流れに問題があることが考えられ、早急な対策が求められます。

サービスレベルとの違い

応答率と類似した言葉に「サービスレベル(SL)」があります。応答率が入電に対応できた割合を表す一方で、サービスレベルは事前に設定した時間内にどれだけ応答できたかを示す指標です。例えば、20秒以内に目標を設定した場合、20秒を超えて応答した電話はカウントされません。

 

いずれも電話のかかりやすさにつながる指標であり、一般的に応答率の低下に伴いサービスレベルも下がりやすいとされています。そのため、まずは応答率の向上を目指し、入電の取りこぼしを防ぐことが重要です。確実に応答率が90%をキープできるようになってから、サービスレベルの向上に取り組むとよいでしょう。

コールセンターの応答率が下がる4つの原因

コールセンターの応答率が低下する主な原因は以下の4つです。それぞれの原因について解説します。

原因1.オペレーターが不足している

応答率が下がる大きな原因として、オペレーター不足が挙げられます。オペレーターの人数が不十分な状態では、顧客からのお問い合わせに対応しきれません。

 

しかし、企業によっては人件費削減を目的としてオペレーターの数を減らすケースがあります。また、コールセンターは顔の見えない相手とのコミュニケーションが必要であり、精神的な負担が大きく離職率が高い傾向にある点も、オペレーター不足につながる課題の一つです。

 

コールセンターの離職率が高い原因はほかにもあります。以下の記事では主な理由や離職率を下げる対策を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

また、コールセンターではカスタマーハラスメントに悩まされるケースも少なくありません。以下の記事では、カスタマーハラスメントのリスクや対策方法を解説しています。

原因2.各顧客への対応時間が長い

オペレーターのスキルが足りない場合や顧客の相談内容によっては、1件のお問い合わせにかかる時間が長くなります。各顧客の対応時間が長引けば、ほかの顧客の待機時間が増えて応答率が下がるため注意が必要です。

 

こうした問題は、知識や対応スキルが不足しがちな新人オペレーターに起こる傾向にあります。また、スキルがあっても商品やサービスに関する情報の周知がされていなければ的確な対応ができません。マニュアルやFAQが整備できていない場合にも起こりやすい課題といえるでしょう。

原因3.予測した入電数を超えている

繁忙期や新商品の発売直後など、何らかの理由でお問い合わせが殺到した場合、予測した入電数を超えることがあります。その他、SNSやメディアで取り上げられた際も想定以上のお問い合わせが入りやすいでしょう。このように想定外の事態が発生すると、オペレーターを十分に確保していても応答率が下がる可能性があります。

 

また、時間帯や曜日によっても応答率が変わりますが、ピーク時を超えると応答率が適正な数値に戻るケースが多く、全体的な値が90%を超えていればさほど問題はありません。あらかじめ入電が増えることを把握しておき、ピーク時に合わせてオペレーターの増員をするとよいでしょう。

原因4.作業効率が悪い

オペレーターの業務は電話対応だけではありません。顧客データやお問い合わせ内容の入力、データ検索なども重要な業務の一つです。こうした事務処理に時間がかかる場合も応答率が低下します。

 

また、入電数が多い時間帯にオペレーターの休憩や研修などが重なると、入電数に見合った適切な人員を配置できません。このように作業効率の悪さやシフトの調整ミスも、応答率が下がる原因の一つです。

コールセンターの応答率を上げる5つの施策

コールセンターの応答率向上を目指すには、状況に合った施策を講じることが重要です。続いては、応答率を上げる5つの施策を解説します。

オペレーティングが得意な人員を増やす

オペレーターの人数が不足によって応答率が下がった場合は人員の確保が必要です。

 

ただし、単純に人員を増やしただけでは改善されない可能性が高いでしょう。オペレーターの仕事は顧客の要望や疑問を的確に把握して、適切な改善策を提案することです。いくら人員を増加してもスキルや知識が乏しい状態では、対応時間が長引いて応答率の向上にはつながりません。コールセンターの応答率を上げるには、オペレーティングに適正のある人材を採用する必要があります。

オペレーター向けFAQを作成する

コールセンターの応答率を上げるには、オペレーターの顧客対応をサポートするFAQの作成が効果的です。コールセンターでは、同じような内容のお問い合わせが来ることが多々あります。こうした「よくある質問」をまとめた資料がFAQです。

 

FAQが充実しているとオペレーターが入電中に参照しながら対応できるため、より迅速かつ正確に顧客を問題解決に導けます。その結果、対応時間の短縮につながり、応答率の向上が見込めるでしょう。

 

オペレーター向けのFAQを作成する際は、さまざまなパターンを想定した上で分かりやすくまとめるように留意しましょう。

業務フローを見直す

応答率が低下したときは改めて業務フローを見直してみましょう。例えば、電話対応に時間はかかっていなくても、事務処理の効率が悪ければ応答率の低下を招きます。

 

まずは現状を把握して、余計な業務が発生していないかを確認することが大切です。その上で期間や時間を区切って応答率を測定すると、著しく低下するタイミングを見つけられます。

 

現状の応答率を分析できたらKPI指標を設定し、達成に向けて取り組むべき内容を洗い出しましょう。KPI指標とは各プロセスの達成度を示した数値です。コールセンターにおけるKPI指標を設定する際は、応答率に加えて電話対応から後処理までにかかる平均時間を示す「平均処理時間」や、オペレーターの稼働率なども計測するとよいでしょう。

 

コールセンターの代表的なKPIや業務改善については、以下の記事で解説しています。

コールセンター代行業者を利用する

応答率を上げるには人員確保やオペレーターのスキルアップ、業務フローの改善などが必要です。しかし、自社内で対応しきれない場合は、コールセンター代行業者を利用するのも一つの手段です。

 

コールセンター業務に特化した業者に業務を任せられるため、プロのオペレーターによる品質の高い電話対応が期待できます。自社だけでは応答率が上がらなかった場合も、代行業者に依頼することで円滑な改善が見込めるでしょう。

 

ただし、外部に依頼するためコストが発生する点はデメリットです。そのため、自社内でオペレーティングに長けた人材を確保できない場合に依頼を検討することをおすすめします。

オペレーターの負担軽減につながるシステムや機能を活用する

コールセンターの業務に役立つシステムを導入する方法も、応答率の向上に役立ちます。

 

例えば、テキスト入力された疑問点に対してAIが自動回答をするチャットボットや、顧客向けのFAQシステムを導入すると24時間対応できるようになるため、オペレーターが不在の時間帯でも顧客ニーズを満たすことが可能です。簡易な疑問であればオペレーターを介さなくても解決できるため、オペレーターの負担も減ります。

 

また、音声自動応答システムや着信の自動振り分けシステムも活用することで、業務効率が上がってさらに応答率の向上が期待できるでしょう。

 

コミュニケーション業務に役立つツールは、以下の記事でも解説しています。

コールセンターに役立つプレディクティブコールについては、以下の記事を参考にしてみてください。

電話対応や顧客管理の効率化なら「ソクコム」がおすすめ!

ソクコムの特徴を紹介したイメージ画像

ソクコムは「電話」「メール」「SMS」といった、企業と顧客をつなぐコミュニケーションツールを一元化したオムニ型コミュニケーションプラットフォームです。少人数~大規模なコールセンター・コンタクトセンターでご利用いただけます。

 

業務を効率化して応答率の向上につなげられる機能が多数搭載されており、自社の業務に必要な機能だけを自由に選択することが可能です。例えば、入電した顧客の情報を瞬時に把握できるポップアップ機能や、PBX機能による顧客情報の一元管理など便利な機能が揃っています。

 

高機能でありながら誰でも使いやすいシンプルなUI設計になっているため、システム操作が不安な人でも安心してご利用いただけます。

効率的に応答率を上げるにはシステムや機能の見直しが大切

コンタクトセンターは、顧客にとって疑問や悩みを解決する重要な窓口です。応答率が悪いと顧客満足度の低下に直結するばかりか、新規顧客の獲得を逃す要因にもなりかねません。

 

効率的に応答率を上げるには、現状を把握した上で業務効率の改善が必要です。また、システムや機能を見直すことで応答率の向上が期待できます。

 

オムニチャネル型コミュニケーションプラットツール「ソクコム」では、「電話」「メール」「SMS」などさまざまなコミュニケーションツールの一元化が可能です。自社に合わせて機能をカスタマイズでき、コールセンターの効率化や応答率の向上に役立てられます。

 

コンタクトセンターの応答率低下に悩んでいる人は、ぜひソクコムをご利用ください。

ソクコムの導入事例もございます。詳しくは以下の記事をご覧ください。

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