問い合わせ窓口の振り分けをIVRで自動化|用件別の設計と導入のコツ

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●関連タグ: CRM連携 / CTI / IVR / クラウドPBX / 自動音声

この記事で分かること

  • 問い合わせ窓口の振り分けで起きるミス・保留・クレームの仕組み
  • 人運用とIVR自動振り分けの違い(精度・スピード・対応中の導線)
  • 用件別の番号分岐で振り分けを省く設計の作り方
  • 導入期間・費用感と、自社に合うかの判断ポイント

IVR(電話の自動音声応答)とは、着信をプッシュボタン操作で用件別に自動振り分けする仕組みのことです。

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問い合わせの振り分けで起きがちな3つの課題

問い合わせ窓口の振り分け業務では、振り分けミス・保留の長時間化・対応漏れからのクレームという3つの課題が重なりやすくなります。

振り分けミスが担当者と顧客の双方に負担をかける

複数の問い合わせ窓口を持つ現場では、受けた社員が相手の用件を聞き取り、どのチームの管轄かを瞬時に判断する必要があります。しかし、電話口の数秒で用件の性質を正確に見極めるのは案外難しいものです。

典型例

  • 「サービスについて」と聞いて営業チームに取り次いだら、実際は解約相談でサポートチーム管轄だった
  • 担当チームが再度振り分けし直すことになり、顧客は何度も用件を説明する羽目になる
  • 用件のパターンが多い現場ほど、受け手の判断力に依存する伝達ミスが増える

保留時間の長さが顧客満足度を下げる

問い合わせを受けた担当者が担当チームを探している間、相手を保留にしたまま待たせることになります。

保留による影響

  • 保留音が流れたまま説明がないと、電話口の相手は「忘れられているのでは」と感じやすくなる
  • 問い合わせ件数が多いカスタマーサポートや予約受付の窓口では、保留の長さがそのまま顧客満足度の低下につながる
  • 保留が長引くほど、相手の中に「対応が遅い会社」という印象が残りやすくなる

対応の遅れがクレームにつながることも

振り分けが長引くほど、相手はすでに「待たされた」感覚を抱えた状態になります。

対応漏れの連鎖

  • 担当チームが見つからず折り返しの約束だけで電話を終えると、約束の時間までに連絡できないケースも出てくる
  • こうした小さな対応漏れが重なると、クレーム対応に発展し、現場全体の負担が積み重なる

問い合わせの振り分けを仕組みで減らすことが、次の課題になります。

 

IVRで問い合わせの振り分けを省く仕組み

IVRは用件別・担当チーム別に着信を自動振り分けし、人による振り分け工程自体を省く仕組みです。

IVR(電話の自動音声応答)は、着信時に「商品のご相談は1を、予約の変更は2を」といった音声案内でプッシュボタン操作を促し、入力された番号に応じて担当チームへ直接つなぎます。

IVRが振り分けを自動化する3つの仕組み

  • 番号分岐:用件ごとに着信先を設定し、受けた担当者が聞き取る工程を省く
  • 対応中・時間外の自動接続:あらかじめ設定した転送先や時間外の音声アナウンスへ自動で切り替え、用件を録音して担当チームに知らせることで、折り返し忘れを防ぐ
  • 時間・曜日別分岐:営業時間外の着信は自動音声での案内や折り返し予約フォームへ誘導し、翌営業日の負荷を減らす

こうした自動振り分けの組み合わせが、人による振り分け工程を減らす具体的な設計要素になります。

用件別の分岐を決める4つの手順

分岐は、社内のチームの分け方ではなく、電話をかけてくるお客様の用件から決めます。チームの分け方から決めると、お客様がどの番号を押せばよいか迷いやすくなるためです。

  1. 用件を数える:1〜2週間分の着信を、「予約の変更」「配送の確認」のように用件ごとに記録して、件数を数えます
  2. 番号に割り当てる:件数の多い用件から順に、上位3〜4つを1番から割り当てます。件数の少ない用件は「その他」にまとめます
  3. つながらないときの案内を決める:担当チームが全員通話中のときの転送先と、営業時間外に流す音声アナウンスを決めます
  4. 実際にかけて試す:音声案内の原稿を作ったら、社内の人に実際に電話してもらい、迷わず番号を選べるか確かめます。案内には社内の呼び方ではなく、お客様が使う言葉を使います(例:「カスタマーサクセス」ではなく「ご契約中の方のサポート」)

この手順で作った分岐の例を、業種別に紹介します。

 

業種別に見る用件別分岐の設計サンプル

分岐の作り方は業種によって変わります。参考までに3業種のサンプルを挙げます。

  • ECサイト・通販事業者:「1 商品のご注文・配送 / 2 返品・交換 / 3 その他のお問合せ」
  • クリニック・歯科:「1 診療予約の変更・キャンセル / 2 診療内容のご相談 / 3 その他」(緊急時はオペレーター直通を頭に追加)
  • SaaS・サービス事業者:「1 新規導入のご相談 / 2 既存ご契約者のサポート / 3 解約・プラン変更」

いずれも選択肢は3〜4択に絞るのが基本です。選択肢が増えるほど相手が迷い、ゼロ番でオペレーター直通に流れやすくなります。

 

IVR化で現場が得られるメリット

IVR化によって、現場では3つの変化が生まれます。

  • 振り分け業務からの解放:振り分けを担当していた社員が本来の業務に時間を使えるようになる
  • 人を介したミスの減少:聞き違いや伝言漏れといったミスの発生余地が減る
  • 対応漏れの防止:対応中は転送、営業時間外は音声アナウンスへの自動接続を設定でき、折り返し忘れを仕組みで防げる

カスタマーサポートや予約受付のように定型的な用件が多い窓口や、複数の問い合わせ窓口を抱える現場ほど効果を実感しやすい変化です。ただし、設計段階で押さえておきたいポイントがいくつかあります。

導入前に知っておきたい注意点

一方で、IVR化には事前に把握しておきたい点もあります。

  1. 分岐が複雑すぎると、相手を迷わせやすい

音声案内の階層が深いと、相手がどの番号を押せば良いか分からなくなります。窓口名ではなく用件別に3〜4択程度まで絞り込むシンプルな設計で解決できます。

  1. 緊急の問い合わせには冷たい印象を与えやすい

医療やカスタマーサポートのように緊急度の高い用件が入る窓口では、音声案内の冒頭に「緊急の方は0を押してください」というオペレーター直通の選択肢を用意しておけば解消できます。

  1. 1窓口・1〜2名規模の運用ではCTIが過剰になりやすい

まずクラウドPBXの内線・転送機能で足りるかを並行検討するのが現実的です。問い合わせ件数が増え、複数窓口での運用まで広がる見込みが出た段階が、IVR導入を検討するタイミングです。

なお、本記事は「複数の用件窓口を1つの番号で受けている」ケースを前提にしています。「代表電話で部署振り分けだけしたい」場合は、クラウドPBXの内線転送機能で足りることも多いので、まずそちらから検討してみてください。

これらの注意点は、設計の工夫でおおむね解消できます。カスタマーサポートや予約受付のように、複数の用件を1つの番号で受けている窓口にソクコムのような着信IVRを取り入れると、電話を受けた人が用件を聞き取って振り分ける作業がなくなります。お客様が番号を選んだ時点で担当チームにつながり、営業時間外は音声アナウンスに切り替わるので、受付担当が電話のたびに手を止めずにすみます。次に、人による振り分けと比べてIVR自動振り分けで振り分け精度や対応スピードにどう差が出るのかを整理します。

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人による振り分けとIVR自動振り分けの比較

人による振り分けと比べて、IVRの自動振り分けは振り分け精度・対応スピード・対応中の導線で差が出ます。問い合わせ件数が多い現場ほど、その差が顧客対応の品質に直結します。

比較項目人による振り分けソクコム(IVR自動振り分け)
振り分け精度△ 聞き取りや伝達に依存しミスが起きやすい〇 番号入力で自動振り分けしミスが起きにくい
対応スピード△ 担当チームを探す時間だけ保留が発生する〇 入力直後に担当チームへ自動接続する
対応中の導線△ 担当チームが捕まるまで保留や伝言に頼る〇 転送・音声アナウンスへ自動で接続できる
拡張性△ 振り分け内容をメモで共有するだけに留まりやすい〇 API連携やタグ機能で履歴を残せる
料金△ 人員増員や外注費がかかりやすい〇 1ユーザー1,480円/月〜。必要な機能だけを組み合わせて始められる

※料金の詳細は最新版をご確認ください。

比較を踏まえると、まずは問い合わせ件数が多い窓口の一次対応から試すのが順当です。全窓口を一気にIVR化せず、振り分け件数が多い入口から段階導入すると、現場の抵抗感を抑えて定着させやすくなります。このあと、導入後に現場の電話対応がどう変わるのかを、具体的なイメージで確認します。

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IVR導入後、電話対応はこう変わる

IVR導入後は、人による振り分け工程がなくなることで、電話対応にかかる時間そのものが短縮されます。

「すぐに出て、すぐに振り分ける」運用から、「自動で振り分けて、担当チームが受ける」運用に切り替わります。受付担当が電話のたびに作業を止めて用件を聞き取る必要がなくなり、その時間を本来の業務に回せます。

実際の導入企業では、業種ごとに次のような変化が報告されています。

  • 情報通信業界:アコードワークス株式会社様では、着信IVR・着信CTIの活用により、「1件の取次ぎに約20分かかっていた」状態から「どこにいても一次受付できる体制」へと切り替わりました。取次ぎ業務の負担を減らしつつ、不在時の機会損失も防げる仕組みです。
  • 人材業界:サンエス警備保障株式会社様では、関東圏内全拠点・月間900件の電話応募・問い合わせを一元管理。これまで外部に委託していた受電対応を完全内製化し、問い合わせ履歴を社内に蓄積できる体制へと切り替わりました。

いずれも、問い合わせを受けていた担当者だけでなく、顧客側も人による振り分けを挟まずに担当チームへつながるため、問い合わせから回答までの時間が短くなります。こうした仕組み化が、現場の負担軽減につながります。

最後に、ここまでの内容を振り返ります。

まとめ

問い合わせ窓口の振り分けの負担は、IVRによる自動振り分けと転送設定で仕組みごと減らせます。振り分けミス・保留の長時間化・対応漏れからのクレームという課題を生みやすい振り分け業務も、用件別・担当チーム別の番号分岐で工程そのものを省けます。担当チームが対応中の時は転送、営業時間外は音声アナウンスへの自動接続も設定できるため、対応漏れの防止にもつながります。問い合わせ件数が多いカスタマーサポートや予約受付の窓口、複数の問い合わせ窓口を抱える現場ほど、導入の効果を実感しやすい仕組みです。まずは問い合わせ件数の多い窓口の一次対応から、自動振り分けを検討してみてください。

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よくある質問

ここでは、問い合わせ窓口の振り分けをIVR化する際によく聞かれる疑問にお答えします。

Q. 担当チームが対応中の場合はどう対応しますか?

A. 対応中は転送先へ、営業時間外は音声アナウンスへ自動接続します。用件を録音してもらう導線も用意でき、着信内容を担当チームに通知する機能と組み合わせれば、後から確実に折り返せます。

Q. 普通の転送電話や時間外の音声アナウンスとは何が違いますか?

A. IVRは用件別に相手自身に行き先を選んでもらえる点に違いがあります。転送電話は1つの番号への無条件取次ぎ、時間外アナウンスは営業時間外の一斉案内に特化しています。IVRは番号分岐・時間曜日分岐・録音などを組み合わせられるため、営業時間内の用件振り分けから時間外運用までを1つの仕組みでカバーできます。

Q. 振り分けミスのリスクはどれくらい減りますか?

A. 番号入力による振り分けで、ミスを抑えられます。聞き取りや伝達に頼る人の振り分けと違い、相手が選んだ番号のとおりにつなぐため、担当チームの取り違えが起きにくくなります。どこまで減るかは用件の分け方や窓口の体制によって変わります。導入後は実際の着信を見ながら、選択肢の言葉や順番を見直していくと、振り分けの精度を上げられます。

Q. 導入にかかる期間はどのくらいですか?

A. 最短3営業日から利用を始められます。Google Chrome上で動作するため、工事や専用機器の設置が不要です。番号分岐の設計さえ決まれば、短期間で問い合わせ窓口の一次対応から運用を開始できます。

Q. 費用感はどれくらいですか?

A. 月額は1ユーザー1,480円から始められます。チャネル料金やサーバー利用料など、必要な機能を組み合わせて月額が決まる仕組みのため、小規模な利用から段階的に拡張できます(※料金の詳細は最新版をご確認ください)。初期費用は10万円から(契約規模により変動)で、工事や専用機器の購入が不要な点も、導入のハードルを下げています。

監修: 阿野 正貴

CTI製品に精通した、BtoC・BtoBテレアポ、コールセンター拠点立ち上げの専門家。急成長ベンチャー企業のコールセンターにてテレアポスタッフとして入社後、1年以内にトップ成績を上げ、BPO事業のアウトバウンド・インバウンドのコールセンター拠点立ち上げ責任者に抜擢。最大100席以上の大規模拠点をゼロから複数立ち上げた実績を持つ。2021年Foonz株式会社入社後、CTIツールの営業拡販、CPaaS・CTI製品開発の監修等に携わり現職。

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