コールセンターの費用相場はいくら?AIと人の使い分けで変わる費用の目安
この記事で分かること
コールセンターの費用相場を把握するうえで押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- フルBPO・自社構築・AIボイスボット単体・AIと人の組み合わせ型の費用比較
- 人件費・システム費・委託費という費用構造の内訳
- 企業の規模感に合わせた導入ポイントと業界別の活用例
- 人が対応すべき業務とAIに任せる業務の切り分け方
コールセンターの費用相場とは、電話対応業務を運営する際にかかる人件費・システム費・委託費の総額を指す目安のことです。
「結局いくらかかるのか」が分からないまま進む相談現場
コールセンターの費用相談では、内訳を確認せずに契約してしまう例が今も目立ちます。
例えば、フルBPOでは、繁忙期の増席や対応時間の延長がオプション料金になる契約もあり、契約前に条件を確認しておかないと、月額が見積りより膨らむことがあります。自社構築では、席数を増やすたびに人件費と研修コストが膨らみ、採用担当者の負担が増える傾向があります。AIボイスボット単体の場合も、複雑な問い合わせには対応できず、有人対応に切り替える場面が生じます。こうした事態は、運用形態別の費用構造を事前に把握していれば防げるケースが多いです。
運用形態別の費用構造(人件費・システム費・委託費)
費用は人件費・システム費・委託費の3要素で構成され、運用形態ごとに配分が変わります。
※本記事で紹介する相場数値は、BPO事業者・CTIベンダー各社の公開料金を参考にした一般的な価格帯です。実際の金額は委託内容や契約規模により変動します。
フルアウトソーシング(BPO)の費用構造
フルBPOは、電話対応そのものを外部の専門会社に委託する形態です。採用・教育・労務管理をすべて委託先が担うため、自社で人材を抱える負担がなく、繁閑に合わせて柔軟にリソースを調整できる点が強みです。人件費・システム費は委託費としてまとめて管理でき、オペレーターの品質も安定します。一般的に、BPO委託の月額相場は1席あたり15万〜30万円程度で、業務量が多い企業や、専門的な対応品質が求められる業務で選ばれやすい形態です。
自社構築(インハウス)の費用構造
自社構築は、オペレーターを自社で雇用し、CTI(コンピューターと電話を連携させる仕組み)やPBX(電話交換機)などのシステムを自前で用意する形態です。人件費は採用・研修・労務管理まで含めた総額になり、席数が増えるほど固定費が積み上がります。システム費は初期導入費と保守費用の両方が発生します。柔軟な運用ができる一方、立ち上げまでの準備期間と初期投資が大きくなりやすい点は押さえておくべきポイントです。オンプレミス型のCTI・PBXを一式そろえる場合、初期費用は数百万円規模になることが多く、クラウド型を選んだ場合でも初期費用は数十万円程度を見込む必要があります。
AIボイスボット単体の費用構造
AIボイスボットとは、自動音声で会話しながら電話応対を自動化する仕組みのことです。単体で導入する場合、人件費はほぼ発生せず、月額費用はシステム利用料が中心になります。費用構造としては最も軽くなる傾向があります。ただし、複雑な問い合わせやクレーム対応には向かず、対応範囲を定型業務に絞る必要があります。月額費用の相場は、1システム単位で月額5万〜30万円程度が目安です。
AIと人の組み合わせ型の費用構造
AIと人の組み合わせ型は、定型業務をAIに任せ、判断が必要な業務を人材が担う組み合わせです。人件費は有人対応が必要な範囲に限定されるため、フルBPOや自社構築より抑えやすくなります。システム費はユーザー数・チャネル数・エージェント数に応じた課金が中心で、必要な機能を選んで積み上げる形です。ソクコムのような発信IVRを取り入れると、確認コールや一斉連絡のように同じ内容をくり返す電話はシステムに任せ、人は個別の相談が必要なお客様への対応に時間を使えます。人がかける電話の件数そのものが減るので、そのぶん人件費を抑えた運用につなげられます。

規模別の月額費用の目安
席数(または利用人数)が増えると、どの運用形態でも月額費用は積み上がります。目安として、次のように見積もると現実的です。
- 小規模(〜20席):フルBPOなら月額300万〜600万円、自社構築なら人件費を中心に月額400万〜700万円、AIと人の組み合わせ型なら月額数万〜数十万円程度から始められます
- 中規模(20〜100席):フルBPOなら月額400万〜3,000万円、自社構築なら人件費・保守費で月額600万〜3,500万円程度、AIと人の組み合わせ型なら月額数十万〜数百万円の範囲で設計しやすくなります
- 大規模(100席〜):フルBPO・自社構築は月額数千万円規模になりやすく、AIと人の組み合わせ型でも定型業務の自動化範囲によって月額費用が大きく変わります
小規模なら初期費用を抑えやすいAIと人の組み合わせ型が有力な選択肢で、中〜大規模ではAIと人材の切り分け設計で費用対効果を見極めると費用対効果を判断しやすくなります。次に、4形態の違いを一覧で整理します。
4形態の費用比較
4形態の費用構造を一覧で見ると、特徴の違いが明確になります。
| 比較軸 | フルBPO | 自社構築 | AIボイスボット単体 | AIと人の組み合わせ型(例:ソクコム) |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 比較的抑えやすい | 数十万〜数百万円 | 低め | 10万円〜 |
| 月額費用 | 1席15万〜30万円 | 人件費+保守費が中心 | 5万〜30万円 | 1,480円/ユーザー〜+人が対応する分の人件費 |
| 対応可能業務 | ほぼ全般 | ほぼ全般 | 定型業務のみ | 定型+判断業務 |
| 立ち上げ速度 | 比較的早い | 準備期間が長い | 早い | 最短3営業日〜 |
| 柔軟な拡張 | 委託先に依存 | 自社でコントロール可 | 対応範囲に限界 | 必要分だけ積み上げ |
定型業務の多い企業はAIボイスボット単体やAIと人の組み合わせ型で初期投資を抑えやすく、クレーム対応や複雑な判断業務が多い企業はフルBPOや自社構築、またはAIと人の組み合わせ型で人材部分を厚めに設計する形が機能しやすくなります。この違いを踏まえて、実際のシステム選びの観点を見ていきます。
比較・選び方
運用形態ごとの特徴を、従来の一般的なシステムとソクコムで比較すると違いが明確になります。
| 比較項目 | 従来の一般的なシステム | ソクコム |
|---|---|---|
| 初期費用 | 専用機器や工事で数十万円かかることが多い | 10万円〜(専用機器・工事費不要) |
| 月額費用 | 席数が増えるほど固定費が膨らみやすい | 1ユーザー1,480円/月〜と小さく始められる |
| 機能追加 | オプションごとに追加料金がかかる | 録音・API連携は標準装備、追加機能はオプションで必要分だけ選択可能 |
| 契約期間 | 1年単位など長めの契約が多い | 月単位で使える(最低利用期間なし) |
| 料金体系 | 見積りを取るまで総額が分かりにくい | 必要な機能・人数分の料金がハッキリ分かる |
(※料金の詳細は最新版をご確認ください)
費用構造と料金体系を踏まえたうえで、実際に導入した企業がどのような効果を得ているのかを見ていきます。
📌 自社の費用感を試算
比較ポイントを押さえたら、次は具体的なコスト試算が必要です。
業務内容や稼働規模など6問に答えるだけで、自社に合った概算費用のシミュレーション結果を受け取れます。
導入後の費用対効果と業種別の実例
自動化を取り入れた企業では、業務の種類に応じて具体的な効果が出ています。
導入で得られる主なメリット
メリットは大きく3点あります。1点目は、初期費用10万円〜・最短3営業日で運用を始められるため、立ち上げコストと準備期間を抑えられる点です。2点目は、定型業務をAIに任せることで人が対応する時間を削減できる点で、物流業界のハコベル株式会社様では約37時間かかっていた架電作業を20分の設定に短縮し、対応数を6.6倍に拡大した事例があります。3点目は、録音・API連携などの機能が標準装備されているため、追加の機能利用料がかからない点です。
導入前に知っておきたいデメリット
デメリットも把握しておく必要があります。1点目は、AI単体では複雑な問い合わせやクレーム対応が難しい場合がある点です。その場合は、判断が必要な部分だけを人(BPO)に引き継ぐ設計で解決できます。2点目は、AIの応答シナリオを構築するにあたり初期の設計工数がかかる点です。その場合は、ソクコム側のサポートを活用しながら、まずは定型度の高い業務から段階的に導入することで解決できます。3点目は、通話料やSMS送信料などの従量課金部分が使用量に比例して増える点です。その場合は、月次の利用状況を確認し、月あたりの上限予算を決めて運用ルールを設けることで解決できます。
向くケースは、顧客への一斉連絡や確認コール、未対応リードへのフォロー架電など、発信業務の自動化を進めたい企業です。向かないケースは、専門的な相談やクレーム対応が業務の大半を占める企業で、この場合は人材主体の体制を軸にAIを補助的に使う設計が適しています。

業界別の実例を見ると、コンサルティング業界の株式会社ライフクリエイト様ではIVR導入で月間約66時間の工数削減、公務の宇都宮市上下水道局様では7日間かかっていた発送作業を約2時間に短縮し郵送コスト500万円超を削減した事例が確認できます。
削減時間や削減コストで効果を具体的に見ると、投資回収のイメージがつかめます。
- ライフクリエイト様:66時間/月 × 時給2,000円 = 月13.2万円の人件費圧縮に相当
- 宇都宮市上下水道局様:郵送コストだけで年間500万円超の削減
こうした効果の背景を踏まえて、費用相場の考え方を整理します。
まとめ
コールセンターの費用相場は、フルBPO・自社構築・AIボイスボット単体・AIと人の組み合わせ型で構造が大きく異なります。人件費・システム費・委託費のどこにコストが集中するかを把握すれば、自社の業務量に合った運用形態を選びやすくなります。AIと人の組み合わせ型は、定型業務をAIに任せつつ判断が必要な業務を人が担うことで、費用と対応品質のバランスを取りやすい選択肢です。まずは自社の業務量と相場感を照らし合わせ、無理のない規模から検討を始めることをおすすめします。
よくある質問
Q. 相場より安く抑える交渉術はありますか?
A. 契約形態の見直しで抑えられます。月額固定と従量課金を組み合わせ、閑散期の固定費を抑える交渉が有効です。単発の単価交渉より、最低利用期間の緩和や契約条件の柔軟性を求める方が、長期的なコスト削減につながります。
Q. 月額固定と従量課金、どちらを選ぶべきですか?
A. 変動が大きいと従量課金が有利です。架電件数が月によって大きく変わる業務では、月額固定だと閑散期に割高になります。逆に件数が一定なら、月額固定の方が予算管理はしやすくなります。
Q. 小規模(20席未満)でも導入できますか?
A. 1ユーザーから契約できます。初期費用10万円〜・最短3営業日から利用でき、専用機器や工事も不要です。小規模から始めて、必要に応じて席数を増やす運用ができます。
Q. AIだけでコールセンターを運営できますか?
A. AI単体の運営には限界があります。クレーム対応や個別事情の判断は人による対応が必要になる場面が多いためです。定型業務をAIに任せ、複雑な対応を人が担う組み合わせが現実的です。
Q. 相場を比較する際に見るべき項目は何ですか?
A. 初期費用と月額の内訳を確認します。人件費・システム費・委託費のどこにコストが集中しているかを把握すれば、自社の業務量に合った運用形態を選びやすくなります。
監修: 阿野 正貴
CTI製品に精通した、BtoC・BtoBテレアポ、コールセンター拠点立ち上げの専門家。急成長ベンチャー企業のコールセンターにてテレアポスタッフとして入社後、1年以内にトップ成績を上げ、BPO事業のアウトバウンド・インバウンドのコールセンター拠点立ち上げ責任者に抜擢。最大100席以上の大規模拠点をゼロから複数立ち上げた実績を持つ。2021年Foonz株式会社入社後、CTIツールの営業拡販、CPaaS・CTI製品開発の監修等に携わり現職。
“あらゆる電話業務を自動化し、
コア業務に集中できる環境を創る”
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