コールセンターシステムとは?督促業務のAI活用と選び方
この記事で分かること
- コールセンターシステムの定義と、IVR・CTI・PBX・AIそれぞれの役割
- 督促業務特有の課題(架電工数・コンプライアンス・オペレーター負担)
- 従来型システムと「AI×人のハイブリッド運用(シナリオ型AI+有人フォロー)」との比較ポイント
- 督促業務に強いシステムを選ぶための選定チェックリスト
- 導入コストとPoC(効果検証)の進め方
コールセンターシステムとは、電話の発着信・応答・記録・分析を一体的に扱う、複数の機能をまとめた業務基盤のことです。具体的にはIVR(電話の自動音声応答)/CTI(コンピューターと電話の連携)/PBX(電話交換機)/AI(自動応答・分岐制御)を組み合わせて成り立ちます。督促・催促業務では、この基盤にAIを組み込むことで、自動架電と有人対応の使い分けが可能になります。
督促業務の現場で起きていること
督促業務では、架電工数の増加とコンプライアンス対応の両立が現場共通の課題になっています。
督促・催促の対象者数が増えると、架電件数は月に数百件から数千件規模に膨らみます。オペレーターが1件ずつ手動で発信すると、コール前の情報確認や記録入力に時間がかかり、本来注力すべき相手方への対応に割ける時間が減っていきます。結果として督促の初動が遅れ、未回収が長期化するケースも見られます。督促業務のシステム導入現場では、自動架電と有人フォローの役割分担をあらかじめ線引きしておくことが、コンプライアンス事故を防ぐ基本の考え方とされています。
督促連絡には、時間帯や言い回しに関する社内ルールや関連法令の順守が欠かせません。オペレーターごとにトークの言い回しがばらつくと、クレームや行政指導につながるリスクが高まります。加えて、督促対応は精神的な負荷が大きく、担当者の離職につながりやすい業務でもあります。実際、弊社の独自調査「AI化の境界線に関する調査」(2026年3月/CS・コールセンター運営に関与する担当者1,012人回答)では、88.4%が現状の有人対応のみの体制に「限界」を感じていると回答しています。
こうした現場課題を解決する仕組みが、コールセンターシステムにおけるIVR・CTI・PBX・AIの組み合わせです。

コールセンターシステムの仕組みと督促業務への使い方
コールセンターシステムは、IVR・CTI・PBX・AIという4つの要素の組み合わせで成り立ちます。
先に触れたとおり、コールセンターシステムとは、電話の発着信・応答・記録・分析を一体的に扱う、複数の機能をまとめた業務基盤のことです。督促業務では、この基盤にAIを組み込むことで自動架電と有人対応を使い分けられます。
IVR・CTI・PBX・AIの違い
IVR(電話の自動音声応答)は、番号操作や音声認識で用件を振り分ける仕組みです。CTI(コンピューターと電話を連携させる仕組み)は、着信時に顧客情報を画面表示するなど業務を補助します。PBX(電話交換機の仕組み)は、複数の電話回線や内線をつなぐ土台です。AI(自然言語対話・自動音声)は、これらの基盤の上でシナリオに沿った自動応答や条件分岐、リマインドを自動化する役割を担います。督促業務では、AIによる一次架電とCTIによる有人フォローを組み合わせる構成が一般的です。

督促業務における自動架電と有人フォローの流れ
督促業務で「AI×人のハイブリッド運用」(AIによる一次架電+有人フォロー)を進める際は、次の流れが一般的です。
- 抽出する:入金確認が取れていない対象者を条件で抽出する
- 架電する:AIがシナリオに沿ったリマインド架電を自動で発信する
- 判定する:ボタン押下(例:「1.支払い済み/2.相談したい」)や無音判定などの条件分岐で、有人対応が必要な相手を仕分ける
- 引き継ぐ:相談や苦情対応が必要な相手だけを有人オペレーターに引き継ぐ
- 記録する:通話内容や結果を録音・記録として残す
督促・催促のような発信中心の用途ならソクコムが適しています。ソクコムは発信IVR(自動音声によるアウトバウンド架電)の用途に強みがあります。
メリットとデメリット
AI×人のハイブリッド運用には、次のようなメリットがあります。
- 架電工数を圧縮できる:定型のリマインド連絡をAIに任せることで、有人対応の件数を絞り込めます
- 言い回しのばらつきを抑えられる:AIの発話内容を統一できるため、コンプライアンス面のリスクを下げやすくなります
- 記録が残りやすい:録音機能などにより、督促連絡の経緯を後から確認できます
一方で、次のようなデメリットも存在します。
- AI単体では複雑な相談に対応できない:分割払いの相談など個別判断が必要な場面は、有人オペレーターへの引き継ぎ体制で解決します
- 既存システムとの連携に手間がかかる場合がある:CRMや基幹システムとの連携は、WEBフック機能や外部公開API機能を使った段階的な接続で回避します
督促業務のように発信件数が多く、定型連絡の比率が高い業務には向いていますが、複雑な相談対応が中心の少人数体制には、有人主体の運用のほうが向く場合があります。
こうしたメリット・デメリットを踏まえたうえで、従来型システムとAI活用型を「AI×人のハイブリッド運用」を具体的に比較していきます。
比較・選び方
督促業務のシステム選定では、架電の自動化度合いと有人フォロー体制の柔軟性を比較する視点が有効です。
| 項目 | 従来の一般的なシステム | ソクコム |
|---|---|---|
| 自動架電の仕組み | △ 決まった音声を一斉送出するのみ | ◯ シナリオ設計に基づく自動架電と、応答結果に応じた分岐応答が可能 |
| 有人フォローへの引き継ぎ | △ 手動での転送が中心 | ◯ 押下ボタン(例:「相談したい方は2番」)や無音判定などの条件分岐で有人へ自動接続 |
| 既存電話番号の継続利用 | △ 機器交換や工事が必要な場合がある | ◯ 既存番号の引き継ぎに対応(番号によっては引き継げないケースがあるため事前確認要) |
| 導入までの期間 | △ 数週間から数か月かかる場合がある | ◯ 最短3営業日から利用開始可能 |
| 料金体系 | × 初期費用が数十万〜数百万円レンジになりがち | ◯ 初期費用10万円〜(工事・専用機器は不要)/1ユーザーから契約可能/最低利用期間なし(※料金の詳細は最新版をご確認ください) |
督促業務向けの選定チェックリスト
督促業務でシステムを選ぶ際は、次の点を確認すると失敗を防ぎやすくなります。
- ✅:督促連絡に利用する電話番号(050/0120/0800など)が、そのまま使える番号か(番号ポータビリティの可否は要事前確認)
- ✅:AIの発話内容とシナリオを、業種のルールに合わせてカスタマイズできるか
- ✅:有人オペレーターへの引き継ぎ条件(押下ボタン/無音判定/キーワード分岐など)を柔軟に設定できるか
- ✅:通話録音や記録が標準機能として備わっているか
- ✅:PoC(効果検証)を小規模から始められる契約形態か
これらの観点を押さえたうえで、実際の導入後にどのような変化が起きるかを見ていきます。
導入後の督促業務はこう変わる
AIと人を組み合わせた「AI×人のハイブリッド運用」を取り入れると、督促業務の工数と回収率の両立が現実的になります。
弊社の導入企業では、金融・サービス業界で督促業務にかかる工数を50%以上削減しながら、回収率は維持できたという実績があります。コンサルティング業界の株式会社ライフクリエイト様では、月約400件・66時間かかっていた入金追いの催促業務を自動化した例も見られます。サービス業界の株式会社エラン様では、100件の発信工数を1.5時間に短縮した債権回収業務の事例も確認されています。業種別の詳しい活用像は、ソクコムの導入事例集で紹介しています。

これらの実績に共通するのは、定型のリマインド連絡をAIに任せ、相談や個別対応が必要な相手だけを有人オペレーターが引き継ぐ体制です。督促対象のうち大部分は入金忘れなど単純な理由であるため、AIの自動架電だけで完結するケースが多く見られます。有人オペレーターは、複雑な相談や苦情対応に集中できるようになり、対応品質の底上げにもつながります。工数削減と回収率維持を両立できると、部門の稼働計画や採用計画にも余裕が生まれ、繁忙期の突発対応にも組織として耐えやすくなります。こうした変化を踏まえ、督促業務におけるコールセンターシステム選びのポイントを次にまとめます。
まとめ
コールセンターシステムは、AIと人の役割分担によって督促業務の工数と回収率を両立させます。
コールセンターシステムとは、IVR・CTI・PBX・AIをまとめた電話業務の基盤のことです。 督促・催促業務では、AIによる定型のリマインド架電と、有人オペレーターによる個別対応を組み合わせる形が、工数削減と回収率維持の両立に役立ちます。選定にあたっては、既存の電話番号をそのまま使えるか(番号ポータビリティの可否)、有人への引き継ぎ条件を柔軟に設定できるか、PoCから始められる契約形態かといった点を確認すると失敗を防ぎやすくなります。督促業務の負担を抱える管理者は、まず小規模なPoCから自動架電と有人フォローの役割分担を試してみるのが現実的な進め方です。次によくある質問に答えます。
📌 今の検討フェーズに合わせて選んでください
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よくある質問
督促業務のシステム導入でよく寄せられる質問に回答します。
Q1. コールセンターシステムの導入費用はどのくらいかかりますか?
A.初期費用は10万円からです(契約規模により変動、工事・専用機器は不要)。基本月額はユーザー料金1,480円/月〜、チャネル料金2,000円/月〜、サーバー利用料金5,000円/月〜など、利用規模に応じた構成が一般的です。1ユーザーから契約でき、最低利用期間もありません(※料金の詳細は最新版をご確認ください)。
Q2. PoC(効果検証)はどのように進めればよいですか?
A.小規模な架電リストで試すのが一般的な進め方です。督促対象の一部(例:100件程度)に絞って1〜2週間ほど応答率や引き継ぎ結果を計測し、その結果をもとに全体展開を判断する流れが基本になります。
Q3. 既存の電話番号のまま導入できますか?
A.多くの場合、そのまま利用できます。ただし、番号の種別や取得元によっては引き継ぎに対応できないケースもあるため、事前に対象番号ごとに可否を確認しておくと安心です。番号を引き継げる場合は、工事や機器の交換なしで既存の050番号や0120番号を使い続けられます。
Q4. AIによる督促連絡は法令上問題になりませんか?
A.設計次第で問題を避けられます。督促連絡の時間帯や言い回しには関連法令の順守が前提となるため、※最新の改定をご確認ください。AIの発話内容は事前に業種のルールへ合わせておくと安心です。
監修: 阿野 正貴
CTI製品に精通した、BtoC・BtoBテレアポ、コールセンター拠点立ち上げの専門家。急成長ベンチャー企業のコールセンターにてテレアポスタッフとして入社後、1年以内にトップ成績を上げ、BPO事業のアウトバウンド・インバウンドのコールセンター拠点立ち上げ責任者に抜擢。最大100席以上の大規模拠点をゼロから複数立ち上げた実績を持つ。2021年Foonz株式会社入社後、CTIツールの営業拡販、CPaaS・CTI製品開発の監修等に携わり現職。
“あらゆる電話業務を自動化し、
コア業務に集中できる環境を創る”
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